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【財務諸表が読める・わかる】 不況でもひとり勝ち「ユニクロの決算書の中身」

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2009/02/24 09:00

 低価格衣料専門店のユニクロを展開するファーストリテイリング。不況でもひとり勝ちの業績をおさめていますが、同社の財務諸表にはどのような特徴があるのか、解剖していきたいと思います。(バックナンバーはこちら)

ユニクロの財務諸表を見る

 今回見て頂くのは、株式会社ファーストリテイリング(証券コード:9983)の平成20年8月期(平成19年9月1日~平成20年8月31日)の財務諸表です。ご存じの方が多いかと思いますが、ユニクロを運営している会社です。ユニクロの商品をお持ちの方は結構多いのではないでしょうか。筆者はまだ持ってないのですが、極度な寒がりなので、ヒートテックにはかなり惹かれます。

 ユニクロが販売するものは衣料品です。衣料品を販売する会社の財務諸表にはどのような特徴があるのか、この点を意識しながら財務諸表を見てください。また、この不況下でもユニクロの業績は非常に好調です。その理由についても財務書諸表を見ながら考えてみてください。

 なお、ユニクロを運営している会社の財務諸表なのですが、厳密にはユニクロの財務諸表とは言えません。それがどういうことなのかについても、財務諸表を見ながら、説明していきます。

損益計算書を見る

 まずは損益計算書(P/L)です。一番下の当期純利益43,529百万円をどのようにして得たのか、上から順に見ていこうと思いますが、今回はその前に当期純利益の1つ上を見てください。これまで見てきた損益計算書には無かった少数株主利益という科目があります。これは連結損益計算書に記載されるものです。

 実は今回見て頂くのは連結財務諸表です。連結財務諸表とは、会社が子会社を持っている場合、その会社の財務諸表と子会社の財務諸表とをまとめて、グループの財務諸表としたものです。先ほど厳密にはユニクロの財務諸表とは言えないと言ったのは、ユニクロを運営している会社の数値だけでなく、他の事業を運営している会社の数値も含まれるからです(実は株式会社ファーストリテイリングは持株会社で、ユニクロを運営しているのは、その子会社。同社には他にユニクロ以外の事業を運営する子会社もある)。

 なお、子会社とは、その意思決定を支配している会社のことを言います。他の会社を子会社化する場合、通常その株式を50%超取得します(「通常」と言ったのは、株式を50%超所有しても意思決定を支配できない場合や、50%超所有していなくても支配できる場合があるため)。

 少数株主利益の「少数株主」とは、子会社の自社以外の株主のことで(子会社の親会社である自社が「多数株主」)、少数株主利益とは、子会社の利益のうち少数株主のものとなる部分のことです。少数株主がいる場合、子会社の利益がすべて自社グループの利益に含められるわけではなく、少数株主のものとなる部分を引かなければなりません(利益は株主のもの)。

 例えば、80%の株式を所有する子会社があり(他の20%の株式を所有する株主が少数株主)、その利益が100万円の場合、20万円(=100万円×20%)は少数株主のものなので、連結の当期純利益を算定する際、それを引くのです。

 この少数株主利益336百万円は、子会社の少数株主のものなので、連結の当期純利益には含めず、引いているのです。なお、当然ですが、少数株主がいない場合、すなわち、子会社の株式をすべて所有している場合は、少数株主利益は発生しません。

 それでは、連結損益計算書であることを踏まえて、当期純利益43,529百万円を同社がどのようにして得たのかを見ていきます。


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