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09年ここまでの相場を振り返る
世界の通貨の今後の動きのポイント

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2009/02/24 16:00

 26年ばかり為替の世界に身を置いていますが、未曾有の金融危機・為替危機に見舞われた昨年1年の為替相場はかつて例を見ないボラタイルな動きとなりました。現在の為替相場を分析し今後の展開を考えてみましょう。(バックナンバーはこちら)

09年の2ヶ月間の相場を振り返る

 前回お話したように、現在は昨年7月以降急激に高まった世界同時金融危機、そしてそれに続く世界同時経済危機の真っ只中。昨年12月までをリーマンブラザーズ破綻を頂点とする米国中心の危機第一ラウンドといすれば、今年になってからここまでは、それが世界中にばら撒かれた危機第2ラウンドと考えられます。

 その過程で9月のリーマンブラザーズ破綻を機に10月には急激にリスク回避の動きからパニックな円クロスでの円買いが進行しました。12月には米国がゼロ金利政策に移行したことより米ドルが主要通貨に対して急落し欧州通貨が急反発(ユーロ1.4718まで上昇、ドル円87.12まで下落)。

 しかしその後1月の英国金融危機でポンドが1.3503まで下落、2月には東欧の対欧州銀行デフォルト懸念からユーロが1.2513まで売られ、それに前後して日本の第4四半期GDPマイナス12.7%(前期比年率)と中川財務相辞任という経済・政治のダブルパンチで今まで最強通貨であった円も急反落し、ドル円が94.45まで上昇。

 また豪ドル、NZドルなどオセアニア通貨や南アランドなどのいわゆる「旧高金利通貨グループ」も昨年来のリスク回避の売りで下落した後、その後の国内景気の後退懸念、金利先安感や政治の不安定(南ア)が重石となり、上記チャートで見られるごとく低位での揉み合い相場となっています。いわば負の連鎖が続き火種が世界各地に飛び火しているのが現状です。

 通貨間においては、「不美人投票におけるミス不美人が接戦でなかなかミスが決定しない状況」と言えるでしょう。一方、株価も低迷、商品相場も軟調という中で、間隙を縫って俄然輝きを増してきたのでGold=金です。金の動きについては後ほど若干補足します。

回復はまだ先 尽きない火種が…

 現在はまだ世界同時金融・経済危機の真っ只中。この状態が少なくとも今年前半は続くと言うのが一般の認識でその間火種はつきません。

 まさに先日オーストラリアメルボルン地区に大惨事をもたらした山火事の火が沈静化してはまた別の場所で火の手が上がるような状況です。金融安定化法、景気対策法は成立したものの、米住宅産業回復のめどは立たず、銀行国有化の噂がくすぶります。

 EU圏では域内6カ国の財政赤字拡大に伴う安定・成長協定違反告知や域内の格差拡大に加えて東欧のデフォルト懸念、アイルランド、フィンランドなど北欧の金融不安など、中国の膨大な失業者問題や日本景気のさらなる悪化懸念にもかかわらず政局混迷、そしてBRICsはじめ新興国経済においても商品相場の下落や先進国への輸出激減などを背景に急速に景気が悪化しているなど枚挙に暇がありません。

本邦期末のリパトリは

 豪ドル、及び豪ドル円のチャートを見ましても例年、9月(中間決算)及び3月(本決算)に豪ドルが軟化する傾向が見て取れます。

 この傾向は3月の本決算の方がより顕著であり、いわゆる需給面での本邦への資金回金(いわゆるリパトリエーション)の存在が一因であると考えられます。また過去大量に発行された豪ドル建て債券の償還期限を期末に合わせていたことにもよるでしょう。

 豪ドルにおけるこの季節要因は2000年来昨年まで続いています。しかしこれは世界経済の順調な拡大が背後にあっての話。その意味で今回は世界的に本邦企業の収益ダウンまたは赤字転落が言われる中、例年のようなリパトリが起こらない可能性があります。

 また例年資金流入が多くなる本邦の対外債券投資が2月の第2週時点で4週連続の資本流出で買い越し超になるなど、3月期末の需給バランスに異変が起こる可能性はあり要注意でしょう。

 次に足元の為替相場についてまとめてみました。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • ジョー津田(ジョー ツダ)

    本名は津田 穣(つだ みのる)。1978年東京銀行(現 東京三菱UFJ銀)入行。1982年、当時オイルマネーが潤沢であった中東のバーレーン支店において為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店チーフディーラー、本店オプションチーフを務めた後、1990年に外資系銀行(米系、スイス系)に転出し、為替・資金業務に携わる。
    1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。顧客に的確な市場情報の提供/アドバイスを行い、豪州各地で講演会や市場説明会を実施して顧客の評価を得る。
    2008年から知り合いの投資家の運営する AT FUND, Sydneyにファンドマネージャーとして参加し現在に至る。在豪10年以上の間に培った市場関係者との良好な関係を現在も維持し、日本の投資家に向けて市場メッセージを送り続けている。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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