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戻らないリスクマネー 金融機関は保身と体力回復に専念

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2009/03/01 09:00

 2008年9月のリーマン・ブラザーズ証券の破綻以降、世界中で金融機関による貸し渋りが発生しています。お金を貸して利鞘をかせぐ必要のある金融機関は、いったいどこへ資金を移してしまったのでしょうか?(バックナンバーはこちら)

リスクマネーの行方

 2008年9月のリーマンブラザーズ証券の破綻は、金融市場に決定的な打撃を与えました。その衝撃は同時に株式市場の暴落を通じて実態経済へと波及し、世界大恐慌の様相を呈しています。

 金融機関を始めとするリスクマネーの供給者たちは、いったいどこで運用しているのでしょう?

リーマンショック以前の運用先

 リーマンショック以前、金融機関は経済のグローバル化と金融の自由化の恩恵を存分に受け、世界各地にお金を振り向け運用していました。具体的には先進国新興国併せた不動産市場への貸出、拡大するビジネスをサポートするための商業用貸出、高騰する資源価格を背景に資源開発を後押しするための貸出などでしょう。

 とくに後者2つはより発展途上国が中心で、そのうち前者は東欧やドバイ、後者はロシアをはじめとする資源国などで行われ、今ではこれらのお金が逆流することで大問題となっています。

リーマンショック時、資金はどこへ動いたか?

 リーマンブラザーズ証券の破綻により、金融市場の取引が停止しました。いつだれが倒産するか分からないため、たとえ1日でも「お金を貸す」ことを金融機関が停止したのが原因でした。

 銀行預金ですら危険であり貸出を行うなど問題外という状況で、資金が向かった先は米国の短期国債、いわゆるT-Billでした。金利の推移を見てみると、銀行間貸出金利は大きく変動する一方、T-Billの金利は下落を続け、危機が最高潮に高まった11月に金利は「ゼロ」まで低下しました。

 11月以降米国政府により打ち出されたさまざまな政策により、銀行間の取引はなんとか落ち着きを取り戻しました。現在では銀行間取引の金利はT-billとほぼ同水準に落ち着いています。

そしてお金は政府保証債へ

 銀行間取引市場が落ち着きを取り戻したことにより、金融機関は再び市場から資金を調達して貸出を拡大するのでしょうか?(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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