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もしも日本の金利が上がったら…
将来に備えて考える「インフレ時代のFX」

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2009/03/06 09:00

 今後日本がインフレに転じる可能性は少なからずあるだろう。長期投資ではインフレのことも考慮に入れて、取引にのぞまなれければならない。そこで今回はインフレ時を想定して対策を考えてみたい。(バックナンバーはこちら)

世界的なインフレの中でFXを行っていく場合の注意点は?

 現在は世界中でデフレが懸念されているが外国為替取引を行う1つの動機としては日本のインフレ懸念に対応することもあったと思う。日本のインフレヘッジには金を買うことやドルなどの外貨を買うことも1つの手法だ。

 そういう意味で外貨を買っていてインフレにも円安にもならなかったといって嘆くのは間違いだろう。懸念したインフレにならず良かったのである。ヘッジした部分は損金となったがすべてをヘッジ(フルヘッジ)したのではないだろう。ヘッジとは通常は一部をヘッジするということである。

 また日本人であり日本の円で収入があるならばデフレに対しては円の使い勝手が増大する。日本人である限りデフレへのヘッジは不要だろう。ただデフレには通貨価値の増大とは別の問題がある。外需依存の日本では円高で需要が減少し収入減や雇用不安が起こる。

 本コラムは外国為替取引がメインなのでそれ以上は言及しないが、デフレのヘッジは雇用不安に備えて手に職をつけることだ。それが海外でも通用する職ならさらに好ましいということだ。

デフレでは円を買う必要はない

 極端なインフレ、デフレはともに景気には甚大な影響があるがやはりより深刻なのはデフレであろう。インフレには対応可能なことが多いし、金融当局は景気を冷やす為に金融引き締め策を極端に言えば無限にとることができるがデフレの場合は金利引き下げはゼロまでなので限界がある。日本の景気が失われた10年以降も冴えず、国民の可処分所得が増えないのもデフレに対応できないからだ。

 インフレならば金やドルまた資源国通貨を保有していればある程度は物価上昇に対応が可能である。金・銀・パラジウム・プラチナの価格が上昇すれば資源国通貨である豪ドルや南アランドが上昇する。また資源の取引には基軸通貨のドルが使用されるのでドルも安定するだろう。それらを保有していればその値上がり益で、インフレで高騰した価格の一部を補填できる。

 思惑通りにインフレにならなかった時は為替差損が生じるが、その分はインフレ低下やデフレでモノの値段が下落しているので相殺される。逆にデフレをヘッジするのはどうだろうかということだが、デフレでは円という通貨の価値が上がるので基本的に円を買う必要もないだろう。デフレ時には円が強くなる傾向もあるが、デフレでは現在のように不況がともなう。

 2009年の第四四半期がマイナス12.7%になったり、貿易赤字になったり、株価が下落したり、雇用統計が悪化したりすれば、逆に円が大きく売られる可能性も出てくるので円買いを放置するのも難しい。日本にいる限り広い意味で円を買っている、いわゆる円ロングなのであえてそれ以上に円を買いすぎる必要はない。

 私の結論としてはインフレ懸念をヘッジするなら金を買ったり、ドルや資源国通貨を買う。デフレ懸念をヘッジするなら為替取引でヘッジをするよりも自分自身の雇用の安定や収入源の安定をまず図るだろう。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 野村 雅道(ノムラ マサミチ)

    1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1982年ニューヨーク支店にて国際投資業務、外貨資金業務、外国為替業務に携わる。1985年帰国後、本店にて外国為替チーフディーラーとして活躍。1987年ファーストシカゴ銀行へ転出、スイス銀行を経てBNPパリバ銀行外国為替部市場部長。東京外国為替市場の中心として活躍した。現在は、FX湘南投資グループ代表(FSIG)ならびに専修大学、中京大学講師。テレビ、ラジオ、新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。著書に『働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 』(講談社+α新書)など。執筆中のブログ「ID為替研究所」「ID為替レポート」「野村雅道と楽しい投資仲間達」も人気。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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