為替の世界をのぞいてみよう
「ダウ平均6626.94ドル、ナスダック1293.85ポイント、1ドル=98.33円」
朝のニュースを見ていると、為替のことを詳しく知らなくても、こんなフレーズを毎日何気なく聞いていると思います。リーマン・ブラザーズが破綻したことで世界の金融市場は混乱し、「株価は低迷、為替は円高」というのが現在の金融市場の状況です。2008年9月から急激な円高が進行し、同年12月には13年ぶりの水準となる1ドル80円台に突入しました。
経済の話は難しそうな言葉がたくさん出てくるので、つい遠ざけてしまいがちですが、株も為替も遠い世界のことではありません。そもそも、為替とは何のことなのでしょうか。
私たちは、日本国内に住んでいれば、円で物を買ったり売ったりして生活をします。しかし、国が変われば通貨も変わります。アメリカは米ドル、ドイツはユーロ、イギリスはポンドなど、世界中には色んな通貨があります。
たとえば、海外旅行に出かけると旅行先では円が使えないため、円を現地の通貨に交換します。このように、円とドル、ドルとユーロなど、ある通貨と異なる通貨を交換することを外国為替と呼び、この交換比率を為替レートといいます。
ニュースや新聞で「本日の東京外国為替市場は1ドル=100円…、」などと目にすることがありますが、「1ドル=100円」とは「1ドルを100円で交換する」ことを表しています。為替レートは刻一刻と変動しており、1ドル=90円の時もあれば、1ドル=120円になることもあります。
それでは、為替レートはどこで決まるのでしょうか。為替市場は株式市場と違って、東京証券取引所のような取引所はありません。世界中で24時間取引が行われており、ある時間帯に取引の中心地となっている地域を指し、ニューヨーク外国為替市場、東京外国為替市場などと呼びます。例えば、東京外国為替市場は朝の9時から夕方の17時頃まで、ニューヨーク外国為替市場は夜の21時から翌朝の6時頃までです。その地域に住んでいる人の活動時間と考えると分かりやすいでしょう。

今さら聞けない、円高と円安の話
円高とは、名前の通り、円の価値が高くなることで、円安は円の価値が安くなることです。どなたにもわかるように具体例を使って説明してみましょう。(次ページへ続く)