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09年3月の為替相場をポイント解説
「相場のメルトダウンは起こるか」

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2009/03/11 16:00

 26年もの間、為替の世界に身を置いてきた著者が未曾有の金融危機・為替危機にある現在の為替相場を分析。今後の動きを展望する。

悲惨を極める世界経済の現状

 世界的に株価が歴史的レベルに下落している。今回のサブプライムショックで世界中の株、不動産、債券や為替など数十兆ドルの投資資産が吹き飛んだと言われる。それほどまでに米国の不動産証券化商品は世界中の金融機関に拡散され、その金融機関の機能をマヒさせてしまったということであろう。

 なぜそこに至るまでにリスク管理システムやセフィティーネットが機能しなかったのであろうか。あまりにも大きな危険を目の当たりにすると人間は無反応になってしまうのか? 過去10年近く続いた順調な世界経済拡大の終着駅が今回のディザスターだとすれば、あまりにも悲しい。「いやこれが資本主義下における景気の循環だ」と言ってしまえばそれまでだが。

 今現在も世界経済の後退が続いている。今年後半、遅くとも年末には回復の兆しが見えるという観測が見られる一方、今年になってから発表される各国経済指標は悪化の一途をたどり、各国において企業経営破たんの危険性が指摘される。政府に支援を仰ぐ巨大企業の請求額は兆円の規模に達している。

 市場はまさに「負のスパイラル」に支配されている。サブプライムから急激な信用収縮が起こり、資金の供給が細り、経済規模が縮小した。その結果企業収益が悪化し(多くは赤字化し)雇用削減が起こった。どれが先か後かの議論は別として、まさに論理にかなった景気後退の図であった。

株価と金利はロジカルに動く

 このような経済状況の下、市場に間違いなく起きる事象は次の2つ。
1. 景気が後退し、企業収益が悪化する限り株価は下落する
2. 景気が後退し、雇用情勢が悪化する限り金利は下がる

 株式市場、金利市場の需給バランスから見てもこの2つの動きが現在鮮明であり、景気の現状が好転しない限りこの傾向は続くだろう。

 特に株価については原則株式の保有者がおり、いわば市場はロングポジション(買いポジション)に満ちている訳で、ロングポジション落とし(いわゆるロスカット売り)は峻烈である。ベアベアマーケットにおいては「下げ」は速く、「上げ」は遅い理由であろう。また各国政策金利は限りなくゼロ金利に収束し、量的緩和へとつながる。

なぜ為替相場は下げ止まったか

 次に為替の動きに目を転じてみよう。


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著者プロフィール

  • ジョー津田(ジョー ツダ)

    本名は津田 穣(つだ みのる)。1978年東京銀行(現 東京三菱UFJ銀)入行。1982年、当時オイルマネーが潤沢であった中東のバーレーン支店において為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店チーフディーラー、本店オプションチーフを務めた後、1990年に外資系銀行(米系、スイス系)に転出し、為替・資金業務に携わる。
    1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。顧客に的確な市場情報の提供/アドバイスを行い、豪州各地で講演会や市場説明会を実施して顧客の評価を得る。
    2008年から知り合いの投資家の運営する AT FUND, Sydneyにファンドマネージャーとして参加し現在に至る。在豪10年以上の間に培った市場関係者との良好な関係を現在も維持し、日本の投資家に向けて市場メッセージを送り続けている。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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