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【ギョーカイ裏話】
「日生ライン」の決壊を恐れる市場関係者

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2009/03/14 10:00

 日生ラインとは、日本生命が保有している株式の損益分岐点を指している。日生ラインは、市場関係者たちが「どうしても割り込んで欲しくない日経平均の水準」なのだが、これを割り込むと日本経済の見通しはさらに悪くなりそうだ。(バックナンバーはこちら)

日経平均は実態よりかなり高い?

 今の日本株市場は、外国人投資家がぶん投げる分を、信託銀行経由の公的年金がせっせと買うことで何とか踏ん張っている、という構造である。

 財務省が公表する投資主体別売買動向を見ると、2月第4週まで、外国人投資家は現物株を7週連続で売り越していた(1月第2週~2月第4週の7週で、トータル約1.6兆円の売り越し)。それに対峙するように、信託銀行は1月第2週以降、7週連続で買い越している。信託銀行はトータルで約1.7兆円買い越しており、数値だけ見ても、偶然にしてはできすぎなほど外国人の売り越し分と一致していた。

 この数値だけ見ると売り買いが拮抗しているようにも思えるが、この期間にも、日経平均は約1500円下落している。つまり公的は、上値を買ったというよりも、安いところで下値を買った、と解釈できるのだ。これこそ、「今の公的買いはPKO(株価維持策)の匂いが非常に強い」といわれる所以である。

 では、仮に公的買いがこの時期に入っていなかったら日経平均はいくらだったのだろう? 想像するだけでゾッとするが、これを市場関係者に聞いてみると、「5000円台」(インスピレーションっぽいが)という回答が過半だった。やはり、今の日経平均は「実態よりかなり高い」ようである。

「日生ライン」を守る鉄壁のディフェンス力

 ある市場関係者によれば、「政治的に?それとも日本人として?ニュアンスは難しいが、どうしても割り込んで欲しくない日経平均の水準がある」と見ているという。

 この水準について、彼らの間では「日生ライン」と呼び合っているそうだ。日生とは、国内生保最大手の日本生命のこと。そして日生ラインとは、日本生命が保有している株式の損益分岐点を指している。日本生命の保有する株式の含み益がゼロとなるラインは、08年9月末時点では日経平均換算で7600円。しかし、その後の保有株売却などで、08年12月末時点では「7000円」まで引き下がっている。

 大手生保といえば、大手9社で株式を11兆円も保有するマンモス投資家。中でもガリバーは日本生命で、この会社の損益分岐点は他社と比較して低い(最も高い朝日・住友は9600円)。そのため、これを割り込んで及ぼされる経済全体への弊害が危惧されているようだ。

 3月期末に向け、この日経平均7000円に位置する日生ラインの攻防は続くだろう。見えざる力が働くのか、はたまた特効薬になりそうな株価対策が打ち出されるのか。いずれにせよ、公的の買いこそ、7000円というタッチライン割れを死守する守護神と見て間違いない。ほかには誰も買っていないのだから…。

無名の株式市場データ「指値総計」

 連日のように公的買いの話題で盛り上がるが、それとともに市場関係者の間でブームっぽくなったデータがある。


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著者プロフィール

  • 真行寺(シンギョウジ)

    兜町の人脈拡大を真面目に行なっている。金融業界の裏事情に精通し、一部のファンから熱烈な信頼を受けている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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