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『息を吸って吐くように目標達成できる本』はきれいなお姉さんが書いた自己啓発本

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 あの話題の「成功本」は本当にあなたにとって有益なのか。心理カウンセラーで成功本アナリスト(?)の高橋聰典氏に「成功を呼ぶ」読み方を聞きました。今回はポプラ社の『息を吸って吐くように目標達成できる本』です。(バックナンバーはこちら)

この成功本はここがミソ!

 最近、ビジネス書ではビジュアル系という「きれいなお姉さん」タイプの著者が売れているそうだ。例えば、経沢香保子(トレンダーズ社代表取締役)とか渋井真帆(マチュアライフ研究所代表)、そして本書の著者和田裕美はダイヤモンド社の誇る「三大ビジュアル系」著者といわれているらしい。

 それぞれ雑誌や新聞、テレビなどでよく記事を見かけるが、彼女たちはただきれいなだけでなくビジネスですごい実績をあげている。本書の著者の和田裕美氏も、なかなかの経歴の持ち主だ。大学を卒業した後、英会話学校の事務員を経て、英語教材を販売する日本ブリタニカに入社する。そこで、恐るべき売上げをあげて、ついには全世界(142社)で第2位に登り詰めて、なんと年収が3800万円にも達するようになる。

 その後、最年少で営業部長に昇進して、全国100人以上のスタッフの管理と教育の担当責任者となった。現在は独立して、多くの企業の営業コンサルタントとして活躍中だ。そんな彼女の初めてのヒットー作が、2003年に出版したダイヤモンド社の『世界№2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本』だ。その中で彼女は、すばらしい実績をあげられるようになったノウハウを詳しく解説している。

 以後多くの著作を執筆しているが、テーストはほとんど変わらない。ただその「味付け」や「料理法」を変えて営業のノウハウ論を展開しているだけだ。この手の本は一冊読むと、中毒のように何冊も続けて読みたくなる魔力を持っているが、本書もその範疇に入るものだ。ちょっとした新興宗教のバイブルのようなイメージかもしれない。

 ただし、今回はじゃっかん目先を変えて、営業話から人生論に踏み込んでいる。例えば、「5つのパワーがあなたを変える」として、
1. 自分を変革させるパワー
2. モチベーションを維持するパワー
3. 障害を乗り越えるパワー
4. 人のつながりを大事にするパワー
5. 未来を信じて進むパワー

をあげている。

 そして1年を52週として、それぞれのパワーを実現させるための項目を作成して、それを実行していけば、自然に目標達成ができるようになっている。

 例えば、第7週目の「問題には笑顔で向かう」という項目では、ある問題に直面したら、
「ああ問題くん、こんにちは。また階段を上るチャンスをありがとう。問題は解決するためにあるから必ず解いてみせるからね」
と大きく構えると、「問題くん」が
「おお、君は僕を認めてくれるの? 僕は認めてもらうとね、名前が『挑戦』と変わるんだよ」
と答えてくれるそうだ。逆に“問題くん”を難しいなと考えると、どんどん難問になって、解けるものも解けなくなるというのだ。

 読んだ瞬間に「うーん」とうなってしまった。これで納得して問題を解決できる人はいったい何人いるのだろうか? ちょっと単純化しすぎていないか? 確かに心の持ち方ひとつで問題に向かっていくことは大切だが、こんなことで解決できる“問題くん”はもともと問題ではないのではないだろうか。

 ことほど左様に、本書で紹介される内容は生きる心構えとしては基本中の基本だが、世界№2の実績をあげたセールスウーマンが口にするからこそ、説得力があるということだ。

 著者の和田氏がこの目標を達成できず、途中であきらめそうになったとき、顧客から突然連絡があって目標達成ができることになり、ついに最後の52週まで到達できたという。なんと“神風”が吹いたのだ。ここでは、神国といわれた戦前の日本でさえ二千年で2回しか神風が吹かなかったのに、そんなに簡単に吹いてよいものなのかなどという疑問を抱いてはいけない。

 何はともあれ、本書のタイトルのように「息を吸って吐くように」目標を達成することで、この世の生き物すべてが願いを叶えられて、バラ色の世界になることを願ってやまない。

 本書の内容にちょっともの足りない方には、『君に成功を贈る』(中村天風・日本経営合理化協会出版局)と『道は開ける』『人を動かす』(デール=カーネギー・創元社)をお勧めする。これらの本はもはや成功本のバイブル書であり、あなたがビジネスマンでなくても、人生における必読書のひとつになるだろう。

 ここで紹介した『息を吸って吐くように目標達成できる本』を「前菜」として、本書の後にこれらの本を「主菜」として読んでみたら理解度が増すだろう。ただし「主菜」は「前菜」よりかなりヘビーなので、「息を吸って吐く」ようには理解できないので注意してほしい。

 専門家は本書の読み方を次のように説明する。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • アイブックコミュニケーションズ(アイブックコミュニケーションズ)

    2000年、書籍の編集制作を専門とする出版OEMカンパニーとして設立。既存の編プロ事業ではなく、自ら積極的に企画をプロデュースして、ソフィアバンク副代表でマネーキャスターの藤沢久美氏やドイチェ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト松尾健治氏、人気歴史作家の関裕二氏などによる、数多くの書籍を制作して好評を博する。2007年には、書籍の制作プロデュースで培ったスキルを活かして、Web部門にも進出。以後、アクセスが集中するような有力記事を配信し続けている。アイブックコミュニケーションズのホームページはこちらから

  • 高橋 聰典 (監修者)(タカハシ ソウスケ)

    1973年東京都生まれ。高度経済成長が終焉を迎えたオイルショック時に生を成し、戦後の右肩上がり経済の中で安定成長期と呼ばれている時代に、一般的な中流家庭で幼少期・青年期を過ごした。公立の小学校、中学校、中レベルの高校という学生時代を通して、ごく普通の人間であったが、その後ロストジェネレーションの特徴でもあるニートやフリーターとして、うだつの上がらない生活を経験。社会人に成れない、人と親密な関係が築けないなどの屈折した自身の心を、どうにかしたいと模索する中、心理学に出会い、さまざまなセミナーに通い詰め、精神的な成長を遂げる。
     そして現在、心療内科勤務・カウンセラー養成スクールの講師経験を生かし、心理カウンセラー・メンタルコーチとして企業研修・教員研修・カウンセラー育成・子育て支援を業務とする株式会社マインドサポートを起業。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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