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中東市場の為替取引はどんな仕組みなのか
サウンジアラビアやドバイの状況を探る

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2009/04/09 09:00

 FXの世界では中東市場の為替通貨を扱うことはほとんどないが、ではどういった世界なのか、興味のある人もいると思う。そこで今回は日本の常識に当てはまらない中東市場の仕組みや現状についてお話ししたいと思う。(バックナンバーはこちら)

取引の常識やマナーから外れているのも中東らしさ

 余談から入るが中東との為替取引は独特なものがあった。中東の銀行からドル円のプライスを求められたとき例えば120円50銭-55銭と出すと「AT55、Can I SELL 30MIO DLR?」(120円55銭で3千万ドル売れませんか?)とたずねてきたことがあった。

 普通55というと相手が買うわけだが、55銭で売れないかと取引ではなく交渉に入ってきたことがあった。買値で売りたいという市場の常識から外れたお願いをしてきたので驚いたが、取引の常識やマナーから外れているけれどもそれも一つの中東らしさ、ゆったりとした中東の時間軸かと思った。一瞬のうちに変わる相場なのに交渉してくるところが面白いのだが、なんでも日本の常識に当てはめてはいけないことを認識した。世の中いろいろだ。

 中東市場は金曜日が休日だ。1990年の父ブッシュ大統領による第一次湾岸戦争が勃発する前までは、欧米の銀行のみならず日本の銀行でもバーレーン市場で為替取引を行っていた。

 バーレーン市場はオフショアーで税金が優遇されているので世界の銀行が支店を出し、資金貸付業務を行い、為替も付随的に行われるようになった。プラザ合意以降はかなり活発になり、土日のバーレーン市場でも値動きがあったし、私も日曜日に日本の証券会社の依頼を受けてドル円を5千万ドル売ったことがあった。

 またかつて私と面識のあった東京にいた米国人ディーラーは中東では特別手当が支給されるので自らバーレーン支店への転勤を志願して旅立っていった。現在も同様な貸付・資金・為替取引が行われているが、80年代とくらべれば、中東情勢の混迷を受けて商いは減少している。

 中東の国々はドルと固定相場の関係をとる国が多い。原油の輸出代金はドルで受け取る。ドルをそのまま保有することが多いが米国以外からの輸入では相手国の通貨を買うことになる。中東の相場ではそれゆえやや円高推移することが多かったのでドル買い円売りの注文を少し離れたレートに置いておいても意外にも執行されることもあった。

 中東市場の特色は土日も市場がオープンしていることだが、現在は現地でさえも為替取引も活発ではないし、日本のFX業者も休養が必要なので、あえて中東市場見合いに顧客取引を土曜、日曜にやろうとすることはないようだ。労働強化となってしまうので積極的ではない。

 中東の政治状況が落ち着いて平和となり、経済活性化を目論む計画が出来れば金融市場、為替市場のグローバライゼーションが行われる可能性も出てきて日本人為替ディーラーも中東市場へ参入できるだろう。その代わり土日も休めなくなる。

中東市場の為替プレーヤーの面々

 さてそれではここで中東市場の為替プレーヤーについてまとめてみたい。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 野村 雅道(ノムラ マサミチ)

    1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。1982年ニューヨーク支店にて国際投資業務、外貨資金業務、外国為替業務に携わる。1985年帰国後、本店にて外国為替チーフディーラーとして活躍。1987年ファーストシカゴ銀行へ転出、スイス銀行を経てBNPパリバ銀行外国為替部市場部長。東京外国為替市場の中心として活躍した。現在は、FX湘南投資グループ代表(FSIG)ならびに専修大学、中京大学講師。テレビ、ラジオ、新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。著書に『働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 』(講談社+α新書)など。執筆中のブログ「ID為替研究所」「ID為替レポート」「野村雅道と楽しい投資仲間達」も人気。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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