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業界用語に惑わされるな 個人投資家に「持たざるリスク」など存在しない

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2009/05/20 09:00

 不確実な相場の世界で、断言することは避けるべきとの思いはあります。しかし、強い株価上昇が見られた際に「持たざるリスク」という言葉が、証券会社や投資顧問により頻繁に使われることに対して、私は懐疑的・否定的です。今回は、この「持たざるリスク」に関して、考えてみましょう。(バックナンバーはこちら)

本来の持たざるリスクとは

 投資家の方なら「持たざるリスク」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
 この言葉が本来どういう使い方をされるのかというと、機関投資家等が顧客の資産を預かり運用を(とくにパッシブ運用を)する上で、買いポジションをとっていない状況で株価が上昇・急騰した場合に、「インデックスを下回るパフォーマンスとなると、顧客からクレームがでる」というリスク。これが本来の「持たざるリスク」です。

「いや、持たざるリスクは存在する!」という方もいらっしゃると思います。
 確かに、インフレが進行する経済状況下であれば、現金で資産を保有していれば、その資産は時間と共に目減りしていきます。持たざるリスクがあるようにも思えます。

 しかし、それは長期における資産の緩やかな目減りです。一方、株式市場では短期で資産を大きく減らす可能性(危険性)が常に内包されています。

 投資顧問等が勧誘のために、契約を更新させるために「持たざるリスク」と言う言葉をよく使う傾向がありますが、持っている方が遥かにリスク高いことは明白でしょう。ましてや現在(短期)は再びデフレと言える状況にあり、インフレを理由に無理に投資商品を持たなければならない理由は見出し難い状況です。

 専業トレーダーで日々の生活の糧を、相場から得ているのであれば、株価(指数)上昇・下落に乗れないことは、収入減にも繋がりますので、「持たざるリスク」はあると言えるかもしれません。

 ですが、一般的な個人投資家には(基本的には)ノルマは無いのですから、個人投資家に「持たざるリスク」は存在しないハズです。

初心者投資家に多く見られる「とりっぱぐれ」時の心理状態

 株価の変動を目の前にすると、特に自身が予測した方向に株価が大きく動いてポジションを保有していない場合は、利益のとりっぱぐれを気にする(悔しがる)個人投資家は少なくありません。「買っていれば(売っていれば)、○○○万円儲かっていたはずなのに…」との思いを抱くのは当然の投資家心理、人間心理でしょう。

 しかし、時としてこの 「○○○万円儲かっていたはずなのに」 の思いがエスカレートして、「○○○万円失った」 という心理状態に陥る場合があります。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • Heyward(ヘイワード)

    本業絶不調のため、やむなく相場で食っている一個人投資家。
    「勝たなくてもいい・負けなければ。負けても負けの金額を限定すること!」をテーゼに先物相場で日々奮闘中。
    楽観的・魅力的な先物相場の見方は証券会社にお任せして、私からは先物の恐ろしさ、個人投資家が陥りやすい相場に潜む罠、相場に起こる事象の見方・解釈、相場に挑む際の心の持ちよう等々を、個人投資家ならではの、しがらみのない立場で、皆様にお伝えできればと思います。
    日々の相場概観、ザラ場リアルタイム情報はブログ「株と先物の勉強会」にて更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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