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エンタメ潮流コラム「任天堂の打開策とは」

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人口と経済成長には関連性があると考えてよいだろう。ターゲット人口が減り続けている中、エンタテインメント産業がとるべき選択肢とはどのようなものだろうか。任天堂のニンテンドーDSやWiiを例に説明していきたい。

人口ピラミッドと産業における「縮小のなだれ」

 日本の人口ピラミッドには団塊世代、団塊ジュニア世代という「大きなコブ」がある。この「大きなコブ」は各産業、経済に対して大きなインパクトをもたらしている可能性が高い。経済学理論においても、人口は経済成長を説明する一つの変数になっており、人口動態と経済活動は連動性があると考えてもよいだろう。

 例えば、TOPIX(東証株価指数)と40歳の人口を比較すると、連動しているように思われる。89 年のバブルの高値のときは団塊世代が40 歳を迎えるタイミングであった。そして、団塊ジュニアのピークが40 歳になろうとしている局面でTOPIX は再び上昇に転じたといえなくもない。逆に、「少子化」を団塊ジュニアのコブが過ぎた後の状況とすれば、40歳と連動するTOPIXは「少子化」の影響をまだ本格的には受けていないとみられる。

大納会のTOPIX終値と40歳人口の推移(出所:総務省、単位:千人)
「-歳人口」と表記されているものは、04 年10 月現在の人口構成表から推計

「少子化」に影響を強く受ける産業は?

 一方で、「少子化」が顕在化している産業も多い。団塊ジュニアの人口のピークを過ぎた後には、その産業には「縮小のなだれ」が生じ、市場規模が縮小する可能性がある。そして、「縮小のなだれ」が顕在化した産業においては、ターゲット層が変化しない限り、市場の縮小が継続すると考えられる。

 例えば、音楽パッケージ市場もこの「縮小のなだれ」に巻き込まれていると筆者は考えている。日本レコード協会によると、オーディオレコード総生産金額のピークは98 年の6,075 億円で、06 年には3,516 億円と4 割以上縮小した。不正コピー問題やインターネット、携帯電話でのダウンロードへのシフトがその要因とみられているが、少子化の影響も無視できないだろう。

 98 年は団塊ジュニアのピークが25 歳であった時点であり、学生から社会人になり、仕事が忙しくなったタイミングだ。25 歳人口と市場規模を比較すると、連動しているように思われ、少子化の影響、すなわち、「縮小のなだれ」が顕在化しているといえよう。また、人口の減少スピードよりも市場の縮小スピードが速く、乖離している部分がみられるが、この部分がネット配信の影響と推測できる。

オーディオレコード総生産金額と25歳人口の推移(単位:億円、千人)

 エンタテインメント産業においては、商品の価格は一定である場合が多く、一人当たり購入点数は大きく変化しないとみられることから、数量が売上高・産業規模を決定する重要な要素になる。したがって、ターゲットとなるある年齢の人口規模が産業規模に大きな影響を与える制約条件になろう。

 では、エンタテインメント産業は規模が縮小していくのだろうか?


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