日本においてDSが2,000万台の出荷を突破
任天堂によると、ニンテンドーDSとDS Liteの日本での発売以来の累計出荷台数が2,000万台を超えた。これは過去のハードよりも速い普及のペースであり、任天堂の「ゲーム人口拡大戦略」が成功したといえよう。

すなわち、従来はゲームをしなかった人もDSを購入した結果、従来のゲームユーザーにのみ販売する普及スピードよりも速くなっているのである。そして、それをけん引したのは、従来のゲームらしくない「脳トレ」等のソフトであった。
しかし、2,000万台という数字自体はPS2が累計販売台数で達成している水準であり、逆にいえば、これまで「ゲーム人口拡大」といっても、結果としての数字は従来のゲーム産業の推移で説明できる範囲にとどまっているともいえる。今後の日本のDSの展開、販売推移が本当の意味での「ゲーム人口拡大」戦略の結果を示すものであるといえよう。
この点では、ゲーム機を越えたプラットフォームとして確立されていくことで、普及率が上昇すると考えられる。すなわち、ゲームだけではなく、書籍や音楽、映像等を楽しむ端末としての商品ポジションが確立されることで、ゲーム人口に依存しない普及台数となる可能性である。
さらに「DSテレビ」や「DS文学全集」、「DSvision」などの具体的なサービス、アプリケーションを考慮すると、その可能性は高まるだろう。そして、任天堂は物理的なインフラを充実させるために、無線配信拠点数を増やし、アクセス機会を増加させる方針だ。(次ページへ続く)