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「アナリストに騙された」と言ってはいけない 報道に振り回されないための条件

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2009/06/18 09:00

 投資にかかわらず報道に振り回された経験は誰にでもあるのではないでしょうか。今回は相場から少しそれますが、報道というものの特性をお話します。もしかしたら皆さんの情報を解析する能力アップに貢献できるかもしれません。(バックナンバーはこちら)

報道と現実のギャップ

 私事で恐縮ですが、私は学生時代をロシアで過ごしました。ロシアの某大学に入学した時は、経済崩壊の真っ只中で、日本ではロシアのことを「食料品がない」、「じゃがいもを買うのですら4時間、マイナス35度の厳寒のなか行列に並ばなければならない」と報道していた時代でした。

 私のホームステイ先は年金生活者のおばあちゃんで、塩と砂糖以外の調味料はなく、洗濯機も掃除機もなく、決して裕福ではありませんでしたが、冷蔵庫は食料品で埋まっており、友人宅も、お隣さんの冷蔵庫も同様でした。

 市場に食料品がないのに、冷蔵庫には食料品がいっぱい詰まっていることを不思議に思い尋ねてみると、旧体制で褒賞として国家により与えられた別荘(農作業場といった方が正確ですが)に、野菜畑、家畜を持っているものが少なくなく、それを家族・知人・友人・隣人等で配分しているとのこと。

 それで冷蔵庫に食料品があるのか、なるほどと思いましたが、それでも納得できず、「市場にモノがなかったら不便じゃないの?」と尋ねてみると、「食料品はどこにあればいいのか? 市場にあればいいのか、自宅の冷蔵庫にあればいいのか、どちらがいいか考えてみなさい」との答え。

 言わずもがな、後者です。当たり前のことですが、若かったこともあり、目からうろこが落ちる思いでした。

 地域、各人により状況は違うにしろ、そんな現実もある中、日本では「食料品がない」、「じゃがいもを買うのですら4時間、マイナス35度の厳寒のなか行列に並ばなければならない」と報道されていたわけです。

 事実の一端はありますが、それは現実の一部を切り取った報道に過ぎません。報道は、「食料品がない」という主旨でしたが、餓死者が出たという報道も統計もありませんでした。

 しかし、その報道と現実(市場には食料品がない、餓死者がいない統計)のギャップに疑問を感じた日本人は多くないのではないでしょうか。餓死者がいない統計に関しては殆ど報じられておらず、それからギャップを感じることは難しかったと思いますが、報道された映像で、「恰幅のいい市民」と「食料品のない報道」にギャップを感じることはできたはずです。

企画としての報道がなされる可能性

 この話は欧米に比べ情報の少ない国(日本での報道が少ない、報道担当が少ない国)に関する報道だから、ということではありません。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • Heyward(ヘイワード)

    本業絶不調のため、やむなく相場で食っている一個人投資家。
    「勝たなくてもいい・負けなければ。負けても負けの金額を限定すること!」をテーゼに先物相場で日々奮闘中。
    楽観的・魅力的な先物相場の見方は証券会社にお任せして、私からは先物の恐ろしさ、個人投資家が陥りやすい相場に潜む罠、相場に起こる事象の見方・解釈、相場に挑む際の心の持ちよう等々を、個人投資家ならではの、しがらみのない立場で、皆様にお伝えできればと思います。
    日々の相場概観、ザラ場リアルタイム情報はブログ「株と先物の勉強会」にて更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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