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GMの国有化で感じた「アメリカ的サクセスストーリの終焉」

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2009/06/07 10:00

 かつてアメリカンドリームとは大きな家に住み、キャデラックに乗るのが典型的なサクセスストーリーとされていた。しかしGMが国有化され、さすがにアメリカ人の価値感もいまや大きく変わり始めたようだ。(バックナンバーはこちら)

出口を気にし始めた市場

 リーマンショックのあまりにも大きなショックに世界は息を飲み、市場は唖然として為す術もなく買い手不在のまま下げるに任せ、遂には最後の買い手として世界中の政府が救済に乗り出してきた。

 国によって対応は異なるが、日本でも麻生首相の錦の御旗は「景気対策」であり、何でもありの無茶苦茶ぶりだが、税収より国債の発行額が大きくなっても、それでも世の中が静かなのはショックがそれほど大きくて、ここは政府にお願いするしかないと感じていたからであろう。

 資本主義の本家のはずのアメリカですらGMを国有化するなど、まるで社会主義国同様すべてがお上頼みになった感があり、USAがいまやUSSAとソシャリスト(Socialist)のSを入れてからかわれる始末。「USSA」とはつまりユナイテッド・ソシャリスト・ステーツ・オブ・アメリカ(United Socialist States of America)という意味であり、さすがのアメリカ人もこれまでの価値感を大きく変えなければならなくなったようだ。

 アメリカンドリームとは大きな家に住み、キャデラックに乗るのが典型的なサクセスストーリーとされていた。プレスリーはピンク色のキャデラックを10台ぐらい持っていたらしいし、それに憧れるのがアメリカンスタイルだった。

 そのGMがこの始末。さすがにアメリカ人の価値感もいまや大きく変わり始めたようで、再生GMの行く手も厳しいものになるのは避けられまい。まだひと波乱もふた波乱もあると考えておくべきだろう。

一難去ってまた一難

 そのGMの教訓からわれわれが学ぶべきことは、アメリカ式経営がはたして市場や投資家にとっていいことなのかという、ごく素朴な反省ではないだろうか。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 三原 淳雄(ミハラ アツオ)

    激動する内外経済の今後を展望し、対応を説く経済評論家。1937年満州国チチハル(現・中国)生まれ。九州大学卒業後、日興證券に入社。企業派遣によるノースウェスタン大学経営大学院留学、スイス銀行チューリッヒ支店勤務などを経て、ロスアンジェルス支店長。1980年から評論活動に入る。近著に『金持ちいじめは国を滅ぼす』(講談社)など。TV東京「News モーニングサテライト」 隔週月曜日(AM5:45~6:45放送)のゲストとして出演中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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