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もしすべての投資家がインデックス投資を行ったらどうなるのか

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2009/06/11 10:00

 日経平均株価やTOPIXなど、特定の市場を代表する指数(インデックス)に対して投資する「インデックス投資」。近年人気のインデックス投資ですが、もしすべての投資家がインデックス投資を行ったらどうなるのでしょうか。(バックナンバーはこちら)

極端に全投資家がインデックス投資を行う状況を想像

「個別株投資ほどには時間と労力がかからず、平均すれば良い投資成果を狙えるのは株価指数(インデックス)への投資」というコメントを耳にすることがあります。

 確かに過去の統計データを見るとそのように主張できる側面もあると思われますが、今回はちょっと極端ながら、すべての投資家がインデックス投資を行う状況を想像してみましょう。

日経平均へのインデックス投資だけの状況を想像するなら

 国内株式の場合、日経平均とTOPIXが投資手段も豊富なので、インデックス投資の対象としては現実的だと思います。そこで、まず日経平均の場合を考えてみましょう。

 まず、すべての投資家は、日経平均株価指数先物、日経平均ETF、日経平均連動投信、日経平均eワラントやその他の日経平均を対象としたデリバティブ(日経平均連動債を含む)にしか投資しないものとします。

 そうなると、結果的に日経平均に採用されている225銘柄以外は誰も買わないことになるので、日経平均採用銘柄の取引しか成立しない状況になるでしょう。この極端な状況では、どんなに業績が良い企業の株式でも日経平均に採用されていなければ値段がつかず、採用された途端に価格が跳ね上がるといういびつな状況が想像されます。

 この時、日経平均に採用されていない株式は極端に安い価格で購入できる可能性があります。そうなれば、本来の株式の価値に比べて安く購入でき、配当利回り、企業の解散価値や経営権の支配価値などから天文学的に高いリターンを得ることができる状況が出現します。

 すると、この状況に気が付いたあまのじゃく投資家がいずれ登場し、すべての投資家が日経平均だけで運用するという前提が崩れていくことになります。

TOPIXへのインデックス投資だけの状況を想像するなら

 時価総額加重平均の株価指数であるTOPIXは、多くの投資信託や機関投資家の運用のベンチマークに使われることが多いインデックスです。

 また、時価総額が大きい企業の株式の割合が必然的に高くなるため、国内株式への投資金額が大きい投資主体の多くはポートフォリオが取引先などに偏っている場合を除いて、実質的にTOPIX連動のインデックス投資をしているといえるかもしれません。

 それでは、個人投資家を含めすべての投資家がTOPIXでのインデックス投資をする極端な状況を想定してみましょう。

 その架空の状況下では、まず東証一部のTOPIX対象株式以外は買い手がつかず、取引されなくなります。また、この状況では、すべての投資家が株式のファンダメンタルズを無視することになります。そして、TOPIX採用銘柄内でも時価総額の大きい企業はますます買われ、急騰した株式は買いが買いを呼ぶ展開となるでしょう。

 一方、売り込まれた株式はTOPIXの構成比率が落ちるのでとことん売られていきます。つまり、あちこちでミニバブル、ミニマイナスバブルが発生することになります。

 ここでも、あまのじゃくが出てきて売り込まれすぎた株式を購入したり、割高な水準まで買い上げられた株式をショートしたりすれば、長期的には極めて高いリターンを得ることができる可能性があるでしょう。

インデックス投資が主流になれば非効率になる?

 現実の世界では、上記の様な極端な状況にはなってはいません。しかしながら、価格形成に影響を与えうるほど多くの投資家がインデックス投資を行うようになると、インデックス投資をしない投資家のパフォーマンスが向上するという皮肉な状況が想像されます。

 具体的には、日経平均の場合は銘柄入れ替え時や値嵩株の急騰・急落時、TOPIXの場合は新規上場銘柄等の指数組み入れ時や時価総額の大きな企業の株価急騰・急落時などに超過リターンの機会を発生させる可能性があります(理論上は、その分だけ、インデックス投資を行っている投資家のリターンが下がることになります)。

 このため、インデックス投資が今後ますます増えていくようであれば、そこから生じる投資機会を見出す側になることも選択肢の一つとなりえるでしょう。

 ではまた次回。

 eワラント及びニアピンeワラントの手数料及びリスクについて、こちらをご確認ください。

※ 本連載は、マネックス証券発行の「マネックスメール」や松井証券発行の「松井証券マーケットプレゼンス」などに掲載された著者の記事をMoneyZine(マネージン)編集部が編集し、掲載したものです
 

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