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09年上半期の「為替相場」総括と年内に想定しうる2通りのシナリオ

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2009/06/25 16:00

 26年もの間、為替の世界に身を置いてきた著者が未曾有の金融危機・為替危機にある現在の為替相場を分析。今後の動きを展望する。(バックナンバーはこちら)

今年上半期の総括すると・・・

 昨年のサブプライム禍に始まる未曾有の世界金融・経済危機の中、迎えた新年であったが、早くも今年の半分が過ぎようとしている。まずは現状の各種チャートをチェックしておこう。

 金融危機が発生してから主要国はリセション(景気後退)に陥り、大恐慌以来という世界経済の衰退を目の当たりにしてきた。

 しかし為替相場はまるで何事もなかったかのように新年から半年を過ぎた今現在も我々の目の前に存在する。実体経済面においては主要国の景気後退、多くの会社倒産、失業などの社会問題が発生し、まだまだ未解決問題が山積するこの半年であったが、為替相場はそれらの悲劇すらも相場の一ファクター(要因)としか受け止めない、冷徹な空間なのであろうか?

世界経済は死んではいなかった

 思い起こせば昨年9月15日に米証券リーマン・ブラザーズが破綻し、世界中に戦慄が走ってから多くの出来事が起こった。

 米四大証券会社があるいは銀行持ち株会社に転換し、あるいは米銀に買収された。そして12月には米FRBは衝撃のゼロ金利政策へと突入する。混沌とした中で迎えた新年、1月20日には米国にオバマ新政権が誕生する。まさにオバマ大統領誕生が今年の始まりという印象であり、世界中の人達がオバマ大統領にイエス・キリストをダブらせて、すがるような気持ちであったのかもしれない。

 ただ、巷には「市場メルトダウン説」や「世界恐慌の再来説」などの悲観論が渦巻き、筆者も行き過ぎた悲観論に反発を覚えたものだ。

 そして半年が過ぎた。この半年を年初と比較すると嬉しいことに世界恐慌には陥っておらず、世界のシステムは依然として稼動している。各論はさておき、総論では少しずつ良い方向に向かいつつあると結論付けられるのであるまいか?

 つまり、何度か指摘してきたことであるが、世界の経済活動は宇宙人の大規模な侵略でも受けない限り、一日たりとも休止するわけには行かないし(事業時間短縮や一時休業は別問題)、またサブプライム禍自体も、人間にたとえれば不治の病に罹患したわけではなく、瀕死の大怪我を負ったものの、適切な治療を施せば徐々に健康を取り戻せるという状態なのではあるまいか。

 もちろん傷口からの感染症など併発して、一直線に回復に向かうわけではないが、体力は徐々に回復していくものである。

 この適切な治療がすなわち各国政策当局による景気刺激策や金融緩和策であった。昨年12月に始まる主要国のドラスティックな金融緩和策、景気刺激策はこれまた空前絶後であり、最近では出口戦略などささやかれつつも、依然として世界的に歴史的な金融緩和サイクルの中にいるわけである。

株価の回復

 この間3月には株価は暴落しNYKダウは終値ベースで6547ドルと26年ぶりの安値を、また日経平均もバブル後の安値7086円まで下落する。

 だが底値をヒットした直後から始まる怒涛の回復もまた特筆物であった。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • ジョー津田(ジョー ツダ)

    本名は津田 穣(つだ みのる)。1978年東京銀行(現 東京三菱UFJ銀)入行。1982年、当時オイルマネーが潤沢であった中東のバーレーン支店において為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店チーフディーラー、本店オプションチーフを務めた後、1990年に外資系銀行(米系、スイス系)に転出し、為替・資金業務に携わる。
    1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。顧客に的確な市場情報の提供/アドバイスを行い、豪州各地で講演会や市場説明会を実施して顧客の評価を得る。
    2008年から知り合いの投資家の運営する AT FUND, Sydneyにファンドマネージャーとして参加し現在に至る。在豪10年以上の間に培った市場関係者との良好な関係を現在も維持し、日本の投資家に向けて市場メッセージを送り続けている。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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