MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

サブプライム後は「白か黒か」の二者択一相場
はたして米ドルはこのまま減価し続けるのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2009/08/01 09:00

 26年もの間、為替の世界に身を置いてきた著者が未曾有の金融危機・為替危機にある現在の為替相場を分析。今後の動きを展望する。(バックナンバーはこちら)

最近の為替相場についての一考

 今年も後半に突入し、早いものであと2カ月足らずでリーマンショックから1周年を迎えようとしており、さすがに為替市場も未曾有の混乱から落ち着きを取り戻しつつある今日この頃である。

 昨年来の相場の下落は、世界的なリスクアセットの縮小というダウンサイジング・スパイラルの中で起こっており、サブプライム後の世界的なリスク管理の厳格化や過剰投機牽制の動きを考えると、相場の規模がサブプライム以前に戻ることは二度とないのではないかという気もする。

 しかし、為替相場のターン・オーバー(取引量)の減少は必ずしも相場変動率の減少を意味するわけではなく、むしろ従来より流動性が減った相場環境において、変動率がさらに上昇し、ボラティリティーが増加していると感じることも多々ある。相場依存者にとってはまんざら環境が悪化したとは言い切れないところが為替取引の面白いところであろう。

サブプライム相場総括-白黒相場 

 過去10年を振り返ってみても、何度か大相場が訪れ、下記のような色々な「命名相場」があった。

1997-1998年の「アジア危機相場」
1998年のロングターム・キャピタルマネージメント破綻の「ドル円1日10円、2日20円下落相場」
2002~2008年の長きに亘る悪名高き「円キャリートレード相場」

 上記は一部で、今回のサムプライム禍に係わる混乱相場も「金融恐慌相場」から「最後の審判相場」まで色々名づけられているが、基本的には、世界経済の順調な発展を背景として2002~2008年まで積み上がったリスク選好の「円キャリートレードポジション」がサブプライム禍を境にすべてのリスクアセットとともにひっくり返された相場であった。

 ただ早くも世界経済の立ち直りにつれて徐々に回復基調となり、昨年来の相場下落分の約半分を取り戻した(半値戻し)治癒力には驚いてしまう。

 サブプライム以降の為替相場は首尾一貫して「リスク回避の動きとその逆のリスク選好の動き」がキーワードであった。つまり本来為替というのは2国間の通貨比率の問題であり、通貨の数だけファンダメンタルズが存在し、それらが複雑に入り組んで微妙な味付けがなされていたわけだ。

 しかしサブプライム以降はほぼ連日、リスク回避かリスク選好か、つまり白か黒かの二者択一相場の様相となった。時には一日のうちに白か黒かが数回変化するというトレーダー泣かせの日もあったが、押し並べて白か黒かだった。それでは勝率は5割になったのだろうか?

 残念ながら、この二者択一はルーレットの赤/黒に準ずるように5割は当たると考えるのは素人考えだ。二者択一に思惑が絡まると、とたんに5割の勝率が怪しくなるところが、為替相場の難しいところなのだ。(次ページへ続く)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • ジョー津田(ジョー ツダ)

    本名は津田 穣(つだ みのる)。1978年東京銀行(現 東京三菱UFJ銀)入行。1982年、当時オイルマネーが潤沢であった中東のバーレーン支店において為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店チーフディーラー、本店オプションチーフを務めた後、1990年に外資系銀行(米系、スイス系)に転出し、為替・資金業務に携わる。
    1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。顧客に的確な市場情報の提供/アドバイスを行い、豪州各地で講演会や市場説明会を実施して顧客の評価を得る。
    2008年から知り合いの投資家の運営する AT FUND, Sydneyにファンドマネージャーとして参加し現在に至る。在豪10年以上の間に培った市場関係者との良好な関係を現在も維持し、日本の投資家に向けて市場メッセージを送り続けている。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5