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雇用悪化状況で売買すべき銘柄の見極めポイント

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2009/08/05 09:00

 雇用悪化の報道が止まない。デイトレーダーが肝に銘じておくべきは、社会通念上正しいことを行っている企業だからといって必ずしも「買い」ではなく、また、雇用悪化イコール株安ではない、ということだ。【バックナンバーはこちら】

雇用悪化状況では、人減らしができている企業が「買い」だ

 日米欧の合計失業者が、今年6月時点では3,300万人となり、昨年3月からの1年3ヵ月間で1,200万人増えたという。6月時点の失業者数は日本が350万人、米国が1,470万人、ユーロ圏が1,490万人で、失業率は、日本は5.4%と過去最悪の5.5%に迫り、米国は9.5%、ユーロ圏は9.4%と共に10%大台乗せが視野に入っている。

 就業者の減少幅は、セクターでは、製造業が大きい。たとえば、米国の6月の雇用統計では、製造業の雇用者数は前月に比べ13万6,000人減と、非農業部門の減少幅の3割に相当する一方、日本でも就業者数の減少幅の6割が製造業が占めているという。

 このような状況を認識した上で、デイトレーダーは今後の相場シナリオを組み立てていかなくてはならない。まず、投資家サイドからすれば、原則として、人減らしができている企業は買いで、できていない企業は売りだ。

 もちろん社会通念上は、人間は、他の生産の2要素の資本と土地とは異なり、滅多やたらにクビを切るべきでなく、企業は社会的な責任として雇用を守るべきというのが正しいのだろう。しかし、事業環境が激変した際に、過剰な設備・在庫・雇用を可能な限り迅速に廃棄し、すべての面において、身軽になれる企業の破綻リスクは大きく低下することも事実だ。

 このため、ここまで順調に人減らしができている製造業の株は買えるということになる。逆に、それができていない非製造業の株は買えないということになる。よって、今後の投資戦略では、「製造業買い+非製造業売り」がメインであり続けるだろう。

マクドナルド、王将、ファストリテイリングは「売って」はいけない

 次に、製造業の中で、どんな業種を売り対象にすればよいかを考えなくてはならない。通常の雇用の調整は、ブルーカラーと呼ばれる弱者から始まり、最後に、ホワイトカラーのリストラで一巡するものだ。

 ところで、最低限の人間生活は、「衣食住」が満たされてはじめて、成立すると一般的に言われている。雇用環境が悪化してくると、この3点については、家計は生活防衛の観点から、節約志向が特に強まるものだ。

 となると、この「衣食住」に関しては、廉価で質の良いサービスを提供する企業群は、弱者である失業者の増加やクビ切りの恐怖に怯える人間の増加がメリットになる。このような企業群は、非製造業の中では、売ってはいけない企業群ということになる。マクドナルド、王将、ファストリテイリングなどがその代表だ。

 逆に、価格も高いが、質も良い材・サービスを提供する企業群は、デフレによる売上減少の嵐に巻き込まれる可能性が高く、非製造業の中で、格好の売り対象ということになる。高級品を扱う百貨店や高級外食チェーンなどがその代表格だ。

 また、「衣食住」とは関係のない家電や自動車、旅行などの消費関連に関しては、もはや、勝ち組はいないとみておけばいいだろう。ただし、足元では、政府の景気対策で、助成金やエコポイント等で、売上がかさ上げされているものもある。

 これらの企業群は、対策の効果が剥げ落ちてから売り対象にするべきだ。だが、対策の効果が剥落した段階で、雇用の悪化に歯止めが掛かり、景気が自律的に回復するようなら、売ってはいけない。

 一方、イオンやセブン&アイなどが、PB(プライベートブランド)を拡充し、廉価で良質の食料品を大量に供給し、また、ラインナップの拡充を急い でいる。これは一般消費者にとっては喜ばしいことだろうが、川上の食料品企業や卸問屋の収益を圧迫し、経済全体のデフレ化を加速させるという意味では、ネ ガティブと考えておくべきだ。

 人口が増加する国ならともかく、人口が減少する国では、食料品需要が減ることはあっても、量的に増えることはない。このため、食料品及びスーパー などの小売に関しても、人口増加が見込めるアジアなどに進出している企業は買えても、国内でのみ事業展開を行っている企業は格好の売り対象になる可能性が 高い。(次ページへ続く)


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