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私が為替ディーラーとして26年間の経験から学んだ「相場教訓10ヶ条」

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2009/09/03 09:00

 26年もの間、為替の世界に身を置いてきた著者が為替ディーラーとしての経験の上に個人トレードを始めてみて得た雑感を「相場教訓10ヶ条」にまとめた。(バックナンバーはこちら)

相場教訓10条

 私も銀行のディーラーを辞めて個人トレードを始めて2年余りになるが、いまさらながらに思うのは個人トレードは銀行のディーラー以上に質を高められる可能性があるということ。

 最近の情報入手手段の飛躍的な発達により、銀行ディーラーと個人トレーダーの情報格差は益々縮小しているように思える。自分の資力の範囲内で、何者にも束縛されずに相場の世界を追及できるのが個人トレードだ。むしろ最近の銀行ディーラーは数多くの制約に縛られてかわいそうな気もする。その一例が下記のようなものだ。

・収益、ポジションリミット、ロスカットリミットなどでがんじがらめに縛られる
・オフ・プレミスディールの制限、例えばディーリングルーム以外、自宅での取引禁止など
・東京、ロンドン、ニューヨークの3大拠点以外でのリスクテークを無用視、罪悪視する風潮

 そんな中、今回為替相場の個人トレードの雑感を「相場教訓10条」としてまとめてみた。これは私の反省日記でもあるのだが、為替という同じ土俵で日々戦っている皆さんにも共感を覚えてもらえるポイントもあるのではないだろうか。

 それではひとつずつ説明していこう。興味のあるものから読んでもらってもかまわない。

教訓その一「相場にのめり込むな。だがやるときにはとことんやれ」

 相場は土曜・日曜以外5日間、24時間存在する。したがって、トレーディング環境が過去に比べて飛躍的に改善した今日、いつでも相場にアクセス可能。ともすれば調子のいいときは、「自分が相場を動かしている」などという錯覚に陥り、どっぷりと相場にのめりこみがち。

 しかし人間の気力、体力はそう長くは続かない。長時間のめり込むといつの間にか歯車が狂いだし、虎の子を吐き出す、、なんてことにもなりかねない。

 相場の究極は「流水行雲」の境地。気楽に成り行き任せ、「相場について行く」の心構え。しかし、いざ動き出したら肝(キモ)を入れてとことんくらいつく根性も必要。気楽と根性のバランス感覚だ。

教訓その二「相場は自分についてこない。自分が相場についていく」

 行かないときは画面を凝視していても行かない。行くときは相場を見ていなくても行く。相場は自分についてこない。自分が相場についていく

 誰しも相場に熱中し、相場が思うように動かない時はイライラしてコンピュータをぶち壊したい衝動にかられることがあるのではないだろうか。相場は「先読み」が鉄則。常に情報、材料を整理して、そこから導き出される結果を推測し、それが正解であった時の喜びは相場人間にしか分からないであろう。

 しかしながら相場の読みがはずれることもままあろう。そんな時はどんなに画面を凝視しても、画面をたたいても残念ながら相場は言うことを聞いてはくれない。

 一方、自分の相場観が当たっている時には、当然心も穏やか。画面を見ていなくても、何かで気晴らしをしていても、いや朝までぐっすり眠っていようが、相場はフェイバーの方向に動いてくれる。この当たりはずれの落差が相場の楽しいところ、厳しいところであるわけだ。

 したがって連日連勝は不可能であるのだから、常に「先読み」をしつつも、読みが外れ出したときには、一歩退いて「自分が相場についていく」、「相場さん教えてください」にスンナリ作戦を切り替えることができれば、一歩相場の達人に近づくのだが・・・

 次ページからは教訓その三を説明したいと思う。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • ジョー津田(ジョー ツダ)

    本名は津田 穣(つだ みのる)。1978年東京銀行(現 東京三菱UFJ銀)入行。1982年、当時オイルマネーが潤沢であった中東のバーレーン支店において為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店チーフディーラー、本店オプションチーフを務めた後、1990年に外資系銀行(米系、スイス系)に転出し、為替・資金業務に携わる。
    1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。顧客に的確な市場情報の提供/アドバイスを行い、豪州各地で講演会や市場説明会を実施して顧客の評価を得る。
    2008年から知り合いの投資家の運営する AT FUND, Sydneyにファンドマネージャーとして参加し現在に至る。在豪10年以上の間に培った市場関係者との良好な関係を現在も維持し、日本の投資家に向けて市場メッセージを送り続けている。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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