
投資歴10年の会社員です。最近思うのは「投資ってそれほど儲からないんじゃないか?」という疑問です。私自身、リーマンショック前までは株売買中心にそこそこ利益が出ていました。しかし、あの暴落でいっぺんに吹き飛び、通算ではマイナスです。かといって、他にお金を貯める方法といえば、せいぜい節約くらいしかないでしょう。これまで投資で損した分を、ミチミチ節約で取り返すのかと思うと、負けを認めるようで釈然としません。横田さんは投資の本を出される一方、節約関連の著書も多いですよね。投資と節約、ぶっちゃけ、どちらが儲かるのでしょうか?(医薬品販売業 34歳・男性)
はみ出し銀行マン・横田の答え
これは想像だが、マネージンというサイトを見ている人の大半が、男なんじゃない? それでそのほとんどが投資で儲けることばかり考えているんじゃない?
パソコンの前の、そう、アナタですよ(笑)。
男は夢追い人なのだ!
だいたい男というのは小さなことをバカにしている。大きなことにしか興味がない。お金に関してもでっかく増やす夢ばかり思い描いている。スキルも知識もない投資初心者でさえ、考えるのは、大きく増やすことだけだ。しかも本気でそれが可能だと思っている。
物事のうまくいう面ばかり見ようとし、そうでない面は見ようとしない。投資で成功した人たちをうらやましく思い、必ず自分もそうなりたいと願っている。
市場では一部の勝ち組の裏に、膨大な数の負け組みが存在する。その弱肉強食の真っ只中へ参戦するからには当然、負ける可能性もある。というか、現実には負ける可能性の方が圧倒的に高い。
にもかかわらず、そっちは見ようとせず、夢の中に浸っている。負けるなんて、「自分だけは違う」「自分だけはあり得ない」と思い込んでいる。
競馬場のオッサンと変わらない?
ここのサイトの右下にある「記事ランキングベスト10」の一覧を見ても、男の強欲さがわかるだろう。たまに「他人の給料」なんてゲスな記事が登場する以外、たいていは株やFXなどの儲け記事ばかりがズラリと並ぶ。一攫千金を夢みるだけで、自分が失敗し、損するなんて思いもよらない。
なんだかまるで競馬競輪をやるオッサンたちみたいだ。彼らは朝、最寄り駅からみんなウキウキ顔で鉄火場へ向かう。ところが夕方には、こぞって肩を落とし、しょぼくれた顔で戻ってくる。その負けも一回だけじゃ終わらない。これまでにスッてしまった分を次回、なんとか取り返そうと考える。
「女みたいなことができるかっ!」
勝つ確率が10分の1なら何度やろうが、確率は同じ10分の1だ。なのに負けのこんだギャンブルのおっさんは真顔でこう考える。
「これだけ負けが続けば、だんだん勝つ確率が高まってきてるはずだ。次こそはきっと・・・」
男という動物はだいたいこんなもんだ。人物が大きいようでいて実は単なるバカにすぎない。
「節約なんて、そんな女みたいなことできるかいっ!」
そう啖呵をきっちゃあ女を見下しているくせに、たいていの場合、当の女のほうがしっかりお金を持っている。でもって、そのことを指摘されると、痛いところを突かれたもんだから、ムキになって怒る。(次ページへ続く)