MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

【財務諸表が読める・わかる】
フジテレビの経営は効率的と言えるのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2009/09/17 09:00

 広告不況に苦しむテレビ局。今回はテレビ局の財務諸表を見ていきましょう。フジ・メディア・ホールディングスの財務諸表から、その事業の特徴を読み取ります。(バックナンバーはこちら)

フジテレビの財務諸表を見る

 とても残念なのですが、とうとうこの連載も今回が最終回になりました。最後に見ていただくのは、株式会社フジ・メディア・ホールディングス(証券コード:4676)の平成21年3月期(平成20年4月1日~平成21年3月31日)の財務諸表です。

 会社名に「ホールディングス」が付いていることからわかるように、この会社は持株会社です。フジテレビやニッポン放送など26社の子会社があるのですが、その中で規模が大きく中心となるのは、やはりフジテレビです。したがって、今回はフジテレビの財務諸表を見るといった感じになります。

 なお、なぜ最後にフジテレビかと言うと、深い理由は無く、有名でイメージしやすそうな会社のうち、まだとりあげていなかったものを選んでみました。

フジテレビの損益計算書を見る

 下記が同社の損益計算書になります。

 まず売上高563,320百万円に対して売上原価が383,524百万円で、売上総利益は、売上高563,320百万円-売上原価383,524百万円=179,796百万円となり、売上高売上総利益率(売上総利益/売上高×100)は31.9%です。これは高めの比率と言えるでしょう。

 売上高の多くは放送事業によるもので、その中味は広告収入です。それに対して、売上原価の多くは番組を作るためにかかった費用で、番組の出演者に支払った出演料もこれに含まれます。

 この売上高と売上原価の対応関係はピンとこないかもしれませんが、広告主に対して番組を販売しているのだと考えると、わかりやすいでしょう。番組を高めの価格で販売することができているようですが、この不景気のなか広告主である企業は広告費用を減らしつつあり(前回見たスズキも減らしていました)、番組の価格も低くせざるを得ない傾向にあるようです(売上高は前期の575,484百万円よりも減少)。

 次に販売費及び一般管理費が159,966百万円発生し、営業利益は、売上総利益179,796百万円-販売費及び一般管理費159,966百万円=19,830百万円となり、売上高営業利益率(営業利益/売上高×100)は3.5%となりました。売上高売上総利益率よりもずっと低い比率です。販売費及び一般管理費をまかなうため、番組は高めの価格で販売せざるを得ないんですね。

 販売費及び一般管理費のうち最も額が大きいのは代理店手数料56,488百万円なのですが、これは広告代理店に支払ったものです。実は広告収入は広告主の企業から直接ではなく、広告代理店を通じて入って来ます。そして、広告代理店に対して、このように手数料を支払うのです(これが広告代理店の利益になる)。次に額が大きいのは人件費28,067百万円です。テレビ局は給料が高いことで有名ですね。

 営業外収益と営業外費用を見ると、営業外収益の方が営業外費用よりも大きく、経常利益は、営業利益19,830百万円+営業外収益6,596百万円-営業外費用4,060百万円=22,365百万円となり、売上高経常利益率(経常利益/売上高×100)は4.0%と、売上高営業利益率よりも少し高くなりました。営業外費用の中で最も額が大きいのは投資事業組合運用損ですが、投資事業組合とはファンドと言われるもので、投資家からお金を集めて、それを運用(大きくしてあげる)するものです。この投資事業組合運用損は、ファンドにお金を出したものの、その運用が上手くいかず、出したお金が小さくなってしまったものです。

 特別利益と特別損失も、特別利益の方が特別損失よりも大きく、税金等調整前当期純利益は、経常利益22,365百万円+特別利益31,229百万円-特別損失17,902百万円=35,692百万円と、経常利益よりも大きくなりました。特別利益の中で最も額が大きいのは受取和解金ですが、これは株式会社LDH(旧株式会社ライブドア)から支払われたものです。同社が開示した虚偽の情報に基づき同社の株式を取得して損害を被ったとして、同社を訴えていたのです。

 最後に税金等調整前当期純利益から、通常であれば税金と少数株主利益を引いて当期純利益を出すのですが、ここでは少数株主損失115百万円を引くのではなく、それに足しています。100%子会社ではない、少数株主がいる子会社が赤字のため、その損失を少数株主に配分しているのです。営業外収益の中には持分法による投資利益があり、関連会社の業績は良かったようですが、100%子会社以外の子会社の業績は良くなかったようです。

 次に貸借対照表を見てみましょう。(次ページへ続く)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5