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2009年のクリスマス商戦から考える
任天堂、ソニーの第3四半期の業績はどうなる?

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 今回は2009年のクリスマス商戦について考えてみたい。2009年4-6月期の決算においては、好調だった企業もあるが、市場全体としては前年同期比マイナスとなり、苦戦が目立つ企業が多かった。こうした状況の中で今年のクリスマス商戦はどのようになるのだろうか?

2009年4-6月期苦戦の背景

 2009年4-6月期に苦戦した企業が多かった背景としては、2008年年末からの資金繰り悪化によって、小売店の在庫負担力が減少したことから、シリーズタイトル以外の発注を控え、有力タイトルであっても初回発注量を絞り込む動きがあったとみられる。この動きは米国では一服感がみられるが、欧州では継続しているもよう。

 確かにこうしたマクロ的な要因もあるが、一方で増収を達成した企業も存在する。こうした企業の状況から判断すれば、大型タイトルの発売時期の違いも大きかったといえる。特に、任天堂は前年同期には「マリオカートWii」や欧米での「Wii Fit」の発売があった反動減が大きかった。また、前年同期の「Grand Theft Auto 4」や「メタルギアソリッド4」といった大型タイトルのヒットの反動減も市場全体に影響した。

過熱から通常へ マーケティング戦略

 そもそもゲーム市場においては、年間を通じて大型タイトルの発売時期は、クリスマスのある第3四半期に集中するのが通常である。ハードの普及局面においては、意図的にその時期以外でも大型タイトルを発売することで、ハードの販売モメンタムを向上させるマーケティング戦略を行うこともあるが、前年同期はこうしたマーケティング戦略の結果、通常であれば閑散期であるにもかかわらず、市場規模が拡大したといえる。したがって、中期的なゲーム市場の動向を考えるうえでは、第3四半期の動向が鍵を握るといえよう。

任天堂、ソニー、MSが勝負をかける

 任天堂は今年のクリスマス商戦は過去最大規模を目指している。2008年においては、「マリオカートWii」や「Wii Fit」等は好調に推移したものの、クリスマス商戦向けに投入した「Wii Music」や「街へいこうよ どうぶつの森」は必ずしも望ましい結果ではなかった。今年はすでに日米欧それぞれで100万本以上の販売になった「Wiiスポーツリゾート」に加え、「Wii Fit Plus」と「NEWスーパーマリオブラザーズWii」で勝負をかける方針だ。

 ソニーは値下げされた新型PS3の投入とPSPgoで巻き返しを図っている。Microsoftもソニーに追随して値下げを発表。9月下旬にはXboxシリーズのキラーソフト「Halo」シリーズの「Halo3:ODST」を投入する予定だ。供給サイドから判断すれば、今年のクリスマス商戦はソフトを軸に昨年以上に盛り上がる可能性があろう。また、クリスマス商戦でハードがそれぞれ伸長すれば、11/3期以降のソフトの販売本数の伸長も期待され、中期的にはソフト主導の市場拡大の局面になると予想される。

PS3でゲーム市場の底上げへ

 PS3は今回の値下げで、ヘビーユーザー層を軸とした普及が予想される。特に、出遅れが目立つ日本では期待できよう。これまでは、WiiとDSが「ゲーム人口拡大」に成功したが、ヘビーユーザー層はゲーム市場から存在感がなくなっていた。PS3の値下げと大型ソフトの登場でヘビーユーザー層中心の市場が形成されることになろう。

 そして、この市場はWiiのターゲット層は異なることから、ゲーム市場全体の底上げにつながるとみられ、市場全体を押し上げると予想される。欧米では、ターゲット層が類似しているとみられる、Xbox360との競争が激化する可能性がある。足元の世界の累計出荷台数はWiiが約5,300万台、Xbox360が約3,100万台、PS3が約2,400万台だが、PS3が日本での拡販によってXbox360との差を縮小させると予想される。ただし、Wiiとの格差が縮小する可能性は低いだろう。(次ページへ続く)


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