1993年と2004年との共通点
まず現時点の相場状況と、1993年と2004年の相場状況とその後の展開を考えてみましょう。これは投資アイデアのヒントとなるように思われます。
1993年は日本の株・不動産バブルの一次崩壊がとりあえず収まった(ように思えた)時点、2004年はITバブル崩壊と金融危機とがあいまって90年代バブルの二番底をうった2003年から立ち直った時点と考えることができるでしょう。
私見ではありますが、この2時点には以下のような共通点があったと思われます。
・前年に大きく下げた時点から株価は大幅に回復
・1993年は細川政権、2004年は小泉政権で何らかの改革気運があった
・その時点では、景気の先行きは不透明
翻って、2009年の現時点を考えると、上記3点はそのまま当てはまっているように思えます。株価は3月から大きく戻していますし、民主党政権が誕生したものの、景気の先行きは不透明と考えられます。
1993年となるか、2004年となるか
1993年末・1995年央には大きく円高に振れ、株価は低迷しました。一方、2004年末には円高に動いたものの、株価は大きく崩れることなくその後の2005年の一段高へとつながっていきました。
2004年型の上昇前の小康状態?
以下の前提に立つなら、現時点は第2段階目の相場回復前の「なぎ」の状態に近いと考えることができるかもしれません。
・少なくとも今後4年間は政権交代がなく、民主党の政権基盤が固まる
・現在は円高というよりも米ドル安(他通貨に対しては円高は余り進展していない)
・(過去の日本の失敗から学び)今後も各国の景気刺激策が継続される
このシナリオを考えるなら、株式、ETF、各種株式や株価指数を対象とした満期日までの残存期間の長いコールに投資妙味があると考えられます。
1993年型の期待先行相場?
一方、以下の様なシナリオを考えることもできます。
・世界経済の再失速
・改革の挫折・政党再編による国内政局の大混乱
・米ドル以外の通貨を含めた急激な円全面高
この場合は、外国株式を含めた株式やETFの買い(ロング)ポジションは換金して次の調整局面に備える、日経平均やTOPIXのプットワラントを購入するといった戦略が有効と思われます。
それでは次に日本経済に起こるかもしれない「最悪のシナリオ」を考えてましょう。(次ページへ続く)