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フェラーリが過去最高の販売台数を記録
この不景気になぜ超高級車が売れるのか

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 貧困率15.7%と先進国の中で4番目に高い日本では、毎日百人近く自殺する人がいれば、一方でフェラーリを乗り回す人がいる。同社の2008年販売台数は過去最高を記録しているのだ。(バックナンバーはこちら)

鳩山総理の選挙演説に涙を流して聞いていた中年の主婦

 09年9月1日、民主党が総選挙で圧勝した翌々日、現在の日本の状況を象徴するあるエピソードが朝日新聞に掲載された。

『総選挙中、全国を走り回った鳩山由紀夫氏にとって、最も記憶に残る場面がある。青森県八戸市で演説していたら、前列にいた女性が泣き出した。話を聞くと、「仕事が見つからないので帰省していた息子が、35日前に自殺しました。こういう政治、何とかなりませんか」という。鳩山氏は「言葉を失った」と語る。 自民党創設者の孫である鳩山氏は、自民党の良さや強さを間近に見て育った。93年に離党した後も「強敵」と思ってきた。だが、この選挙では八戸の女性に代表される怒りが政権党に向かい、あっけなく崩れ落ちたのだった』

 麻生前総理は、自民党政権では景気対策に力を入れて、少しずつ上向きになりつつあると、自信満々に希望的観測を語っていたが、実際には景気の二番底が迫っているという見方をする経済専門家やジャーナリストが増えている。

 その背景には、現在中小企業などに雇用の安全弁として支給してきた「雇用調整助成金」が打ち切られるという状況があるからだ。

 この助成金は、企業の一時帰休などの費用を政府が肩代わりして、企業の人件費の負担を少しでも減らし、労働者を失業の危機から守ろうとするもので、その対象者は、この8月で何と255万人に達している。景気の回復が見込めない中で、期限の丸1年が迫っており、失業予備軍として放り出される恐れが出てきた。そうすると、ますます消費傾向は悪化して、デフレスパイラルにまっしぐらに進みそうな勢いである。

 その証拠に、この1年で失業者は110万人も増加している。先日、総務省が発表した8月の完全失業率は5.5%と過去最悪だった前月に比べ、0.2ポイント低下した。しかし、失業率の低下は7ヵ月ぶりだが、実は「雇用調整助成金」の支給で失業を免れている人が255万人も存在するのだ。

 企業側からすると、過剰な労働力と見なすが、この人数を失業者と仮定すると、何と完全失業率は9%にものぼる。これは、大不況で苦悩する欧州連合(EU)の9.1%とほぼ同率だが、失業者への手厚い保護があるEUとは労働者の置かれた立場が違ってくる。日本の場合、一歩間違えば正社員からホームレスの路上生活へ、まっしぐらに落ち込んでしまう可能性もあるわけだ。

 新聞やマスメディアでは最近、このような状況を危ぶんで、盛んに経済危機への喚起をおこなっているが、一方で、まったく逆の予想をしている専門家もいる。

超高級車フェラーリの売れ行きが景気を先読みする

 その専門家とは、富裕層に超高級車「フェラーリ」を販売しているコーナーストーンズ代表の榎本修氏である。同氏によると、フェラーリの売れ行きと景気の先行きは連動しているという。(次ページへ続く)


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