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プロ投資家の世界で生じている市場異変 日本の財政破綻を予測し円売りが過熱

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2009/11/22 10:00

 10月以降日本の超長期金利が大きく上昇しました。それと呼応するかのように新聞などに財政赤字に対する記事が多く出るようになりました。その背景には海外の投機マネーの動きがあったようです。(バックナンバーはこちら)

円金利売りを仕掛けた海外投資家

 海外の投資家は、リーマン危機後ずっと「低金利の長期化」の方向にポジションを構築していました。

 海外の投資家は、日本の金利を取り引きする際「金利スワップ」を多用します。現物の国債を売買すると手数料が高いのと、税金の問題があるのがその理由です。彼らのポジションが大きく偏っていたため、「金利スワップ30年」の方が本来安全資産である「30年国債」の金利より低いという逆転現象がリーマンショック後ずっと起きていました。

 10月に入り、急に20年や30年といった超長期の金利が上昇し始めました。同時に海外の投資家が金利上昇の方向にポジションを構築しているという噂が流れ、上述の逆転現象が約1年ぶりに解消されました。

為替はポジションを円安にシフト

 超長期金利が上昇を始めるとともに、もうひとつ一般の投資家には見えていない市場で異変がありました。為替の長期オプション市場です。

 いわゆる「スポット」市場では、ここ最近「ドル/円」は安定しています。ところが、1年や2年先の通貨の取引市場で大きな円売り円安ポジションが持ち込まれ、市場が大きく変動していました。

 これら海外投資家の「金利ロングポジションはずし」「円安ポジション構築」は明らかに財政懸念に起因するものと考えています。

国内投資家はこの機会に押し目買い

 一方、預金は増えるが貸出先が減り資金の運用先に困っている国内投資家は、基本的に財政懸念とは無縁の存在です。金利が上昇したのをチャンスとばかりに押し目買いに入りました。

 買い手として生命保険会社、某巨大銀行などの名前があがっていました。結局、いったん上昇した金利は急落。財政懸念で金利が上昇しても金融機関の押し目買いに押し戻されるといういつもの円金利のパターンで落ち着きを取り戻しています。

日本の財政は大丈夫か?

 金利市場は落ち着きを取り戻しましたが、税収より多く国債を発行し続ける日本の財政、本当に大丈夫なのでしょうか?(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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