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FX戦争の局地戦に勝つために覚えておきたいユーロの基本

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2009/12/09 09:00

 米ドルのひとり勝ち時代から、ユーロとの世界2大通貨時代へ。いまや円や元より信頼度の高いユーロは、DGP15兆円の経済力をバックに、世界経済を席巻する。(バックナンバーはこちら)

いまや世界第2位の経済大国「ユーロ」

 現在、米国の次に経済影響力のある国はどこかというと、日本でも中国でもなく、間違いなくユーロである。もともとドイツ、イギリス、フランスなど欧州の経済大国が米国に対抗するために設立したEU(欧州連合)だったが、現在では加盟国もついに27ヵ国になり、人口約5億人(世界第3位)、DGPが15兆ドル、そして共通通貨のユーロを保有する大経済圏に成長した。

 いまやユーロはドルに次ぐ国際基軸通貨として追認されて、ますます影響力も大きくなっている。今後の経済成長でますます通貨量が増加して、貿易や資本取引で支配的に使用されることが期待されている。

 最近では世界の中央銀行の外貨準備でも、米ドルの一部をユーロに置き換える傾向もあり、ユーロに対する信頼度もより高まっている。

 何しろユーロ圏を合計すれば、人口で米国を上回り、経済力では日本を上回り、米国にも迫る勢いである。
したがってFX取引をするなら、米ドルに次いで影響力があり、かつ身近な通貨なので、その実態や傾向を理解することがFX戦争勝利への近道である。

 そこでまず、ユーロの長所と短所から見ていきたい。まず長所は、何といっても売買高が米ドルに次いで世界第2位で、流通量も増加していることから、換金性も高まっていることだ。それと、前述したように人口でも経済力でも、大きな影響力を持っているということ。

 一方短所については、株式市場が分断されていて、ユーロで購入できる株式や債券などの種類が多すぎることだ。また、27ヵ国の集合体なので、情報も多岐にわたりチェックしなければならず、英語圏以外の言語も多い(現在は23言語)。

 例えば、ユーロ圏には27ヵ国分の中央銀行が存在して、それぞれに通貨政策を独自でおこなっているが、それではユーロ圏としてのまとまりが出てこない。一応、政策金利を決定するのは欧州中央銀行(ECB)の政策委員会だが、ここでも各国の中央銀行総裁やECBの専任役員が、それぞれの立場で言いたい放題なので議事もなかなかまとまらない。

 米国であれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の議長が1人、副議長が1人、理事5人のわずか7名によって、政策決定がなされて、大統領も財務長官もいっさい干渉できなくなっている。

 通貨経済政策では、長時間も議論を続けて結論を先延ばしにしては、まったく効果が出ないこともある。それどころか、細部にこだわっていると対応が遅れて、ますます深みにはまることになりかねない。
では、一般の投資家としてその辺をどう考えたらよいのだろうか。

ユーロの動きが予測できる5つの経済指標

 ユーロ各国のファンダメンタルな政策や情報を分析するのがいちばんよいのだが、加入国の数が多すぎるので、米国のように何点かの情報をおさえればよいというものではない。そこで、使える情報を絞って入手して、分析することが有効である。

 ファンダメンタルな情報というのは、次の項目にまとめたので参考にしていただきたい。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 橘 尚人(タチバナ ナオト)

    大学卒業後、生命保険会社や投信会社などいくつかの金融機関を経て、現在、外資系投信会社でマーケットアナリストを務める。これまで金融商品の企画・設定から市場の分析に携わり、各方面で実績を積み、高い評価を受けている。一方、格差社会の問題にも関心高く、小泉構造改革の矛盾点を鋭い視点から分析する異色のアナリスト。著書に「石橋は渡るな!‐爆騰狙いのハイリターン投資入門」(光文社ペーパーバックス)がある。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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