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「金持ちは海外逃亡、物価上昇が年金生活者を直撃」 財政破綻後の日本をシミュレーション

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2009/12/27 10:00

ギリシャや日本を始めとして世界中の国で財政赤字の拡大が議論されています。今回は日本の財政が破たんするシナリオを具体的に考えてみました。(バックナンバーはこちら)

日本は財政破綻していない論

 日本の財政は悪化の一途をたどっています。ところが、財政が破綻すると真剣に心配している人はあまり多くありません。その理由をおさらいしておきましょう。

 たしかに日本の財政は悪化しています。それでは政府が使ったお金はどこへ行っているのでしょうか? 実は、企業と家計の懐に「貯金」という形で累積しています。

「貯金」を預かる金融機関は、その資金を運用する必要に迫られます。低成長、デフレの日本です。買ってある程度の利回りが出るものは「国債」しかありません。「財政支出は回り回って国債に投資されるので、赤字は問題ではない」、これが楽観論者の論理です。

財政悪化がもたらす「甘くない現実」

 財政は悪化の一途を辿ります。当面は大丈夫かもしれませんが、状況はどんどん悪化していきます。その過程で何が起きるかを考えました。

 財政が悪化すると、まず一番に削減されるものは、公務員の人件費です。中央官庁の官僚、学校の先生、警察消防、税関の職員等、すべての公務員が対象となります。

 少し前に東大生が中央官庁に行かなくなったことが話題になりました。官僚を目指しても、彼らの持つ能力に対して正当な賃金も誇りも得ることができないと感じているのが理由です。

 公務員が誇りを持って働けなくなる、または給料だけで生活できなくなるとどうなるでしょうか? そのような状態で蔓延するのが「汚職」です。日本の場合、「武士道」の時代から公職につく方は非常に高いモラル意識をお持ちの場合が多いです。

 財政が悪化し人件費を削減すると、生活に困窮し、その高いモラルを保つことができなくなる可能性があります。高いモラルと質の良い公共サービスを維持できなくなり、汚職の蔓延する三流国へと転落していくことになります。

お金持ちが一番先に逃げていく

 お金持ちは、資産をいろいろな形で保有しています。株式であったり、不動産であったり、外貨であったり、いろいろな形で分散して保有しています。日本の財政が危ないと分ったとき、彼らには資金を移動させる能力と知識があります。

 もし彼らがすべて海外に逃げてしまった後、日本国内には何が残るでしょうか?(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 課長 今調査役(カチョウ イマチョウサヤク)

    大学院で物理学を志すも途中、島耕作にあこがれ金融業界へ。本職は債券市場と計量分析のアナリスト(自称調査役)であるが、お金の流れを追う過程でマクロ経済、株式、商品、アセットアロケーションなどを学び、株の銘柄選択以外すべてに通じるマルチアセットアナリストとして、多方面で活躍(予定)。日本人として日本人の資産をいかに有効利用するかを生涯の目標とする。
    好きな言葉 「潮が引いたとき、誰が裸で泳いでいたかがわかる」

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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