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ドバイ・ショックとは何だったのか

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2010/01/06 10:00

世界の市場をパニックにさせたドバイ・ショック。そこには情報の不透明性という中東特有の問題が潜んでいます。(バックナンバーはこちら)

ドバイ・ショックが世界を騒がせた本当の理由

 2009年11月下旬、リーマン・ショックから約1年が経った頃、ドバイ・ショックで世界の市場に動揺が走りました。

 ドバイ・ショックの発端は、ドバイ首長国の政府系投資持株会社ドバイ・ワールドが債務の返済延期を債権者に求めたことに始まります。これにより、ドバイへの投資が多かった欧州の金融機関の株価が急落し、為替相場は円高へ急激に進行しました。

 しかし、1週間もすると市場は落ち着きを取り戻し、ドバイ・ショックは一過性のものだったという見方が広まりました。リーマン・ブラザーズの負債総額は約6000億ドルに対し、ドバイ・ワールドの負債は約600億ドルです。リーマン・ショックに比べると債務の規模ははるかに小さいのにも関わらず、なぜ世界の市場に大きな影響を与えることになったのでしょうか。

中東地域特有の情報の不透明性

 この大きな原因として、中東地域特有の情報の不透明性が挙げられます。昔から中東地域では情報開示の必要性がなかったので国や会社の財務状況を公開する習慣がなく、欧米とは異なる考え方を持っています。

 だからといって情報公開に対して否定的ということではなく、そもそも情報公開をするという考えがなかったというほうが正しいでしょう。そのため、マイナスの大きなニュースが流れた時には情報の不透明性によって市場に不安が広がりやすいという傾向が見られます。

 しかし、世界からお金が集まるようになった今では情報開示は不可欠です。透明性の欠如は大きな問題であり、近年は情報開示を進めて透明性を高めるように少しずつ変化しています。昨年にドバイ政府が国の財務状況を初めて公開したのも変化の現れの一つです。

 情報が少ないと噂が飛び交い憶測が憶測を呼んで悪循環に陥ります。「まだ他にも何か出てくるかもしれない」と市場に余計な不安が広がるのは良いことではありません。今後、透明性を向上するための取り組みが行われ情報の非対称性が改善されることが期待されています。

先行きの不透明感が強まり市場に不安が広がった

 他の原因としては、ドバイ・ワールドは政府系企業であるため融資した投資家がデフォルトの可能性を考慮していなかったことが挙げられます。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 内藤 美穂(ナイトウ ミホ)

    1984年生まれ。株式会社ガジェットウェア代表取締役兼CEO。大学在学中にガジェットウェアを設立。日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」キャリアクリエイト部門10位受賞。外資系投資銀行やベンチャーキャピタルとのパイプを持つ。学生時代より投資家としてTV、新聞、雑誌など各メディアに取り上げられる。18歳の頃にeワラント取引を始めたのをきっかけに、日本株、中国株、FXなどを取引する。現在、投資関連事業の一環として「ドバイ株ドットコム」でドバイ株口座開設サービスを提供している。
    Miho Naito CEO blog」でブログを更新中。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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