モンスターペアレンツに子育て支援を
ここ数年来とんでもない親が増えているが、それを「モンスターペアレント」と称して各メディアがおもしろおかしく、時には批判的に紹介している。例えば下記のような事例だ。
・今年は桜の花が美しくないのは、中学校の教育がおかしいからだ
・授業中にお菓子を食べたので注意したら、「おなかがすいていたのにかわいそう」
・運動会の練習で「気をつけ」と号令をかけたら「軍隊みたいな教育をするな」
・各クラスの担任を勝手に決定して、「この通りにしろ」
・不登校の子が家でストーブをけり倒したので、学校が弁償してほしい
・いじめに遭うわが子を転校させるので、通学の交通費を出してほしい
・義務教育は無償なので、野球部のユニホームは学校で洗濯すべきだ
・休んだ1週間分の給食費を返してほしい

数えるときりがないが、モンスターペアレンツに多いのがちょうど団塊ジュニア世代で、彼らは現在30代半ばにさしかかっている。
本来なら、そろそろ持ち家の購入を考える時期だが、このところの大不況でなかなか実現できる状況ではない。ところが、鳩山政権の目玉政策である「子育て支援」政策が、彼らに思わぬ恩恵をもたらそうとしている。
子育て支援政策は、家族や個人ではなく社会全体で、子育てをして出生率を上げようという目的で作成された。まず、出産時に55万円の一時金が支払われ、その後中学卒業まで1人当たり月額2万6000円を支給していくというのが骨子である。
そのうえ、高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充すると、マニフェストに明記されている。つまり、これまで子どもをひとり生んで、大学卒業までにかかる費用が数千万円といわれていたが、それがすべて無料になるということなのだ。つまり民主党政権下では、子育てはタダ乗りでO.K.ということになる。
そうするとどうなるだろう。ちょうど、ひとりの子育てにかかる費用と持ち家の購入費が同額くらいだから、団塊ジュニアたちは間違いなく持ち家購入にはしるだろう。そのうえ、多く生むほど支給額が多くなるわけだから、どんどん生んで「子持ち成金」になろうとするモンスターペアレンツも現れるに違いない。
必然的に起こるのは、土地の値段が高騰して、日本列島「再」改造論で盛り上がることだ。それが、あの田中角栄の申し子で、鳩山政権を陰の総理といわれる小沢一郎の思惑なのである
何かのきっかけで一気に「鳩山バブル」の花が咲き乱れる
その他、民主党のマニフェストには、建築土木関係の規制緩和政策がたくさんもられている。(次ページへ続く)