よく見れば明るさも
年が明けて寅年、株式市場には昔から干支にちなんだ格言があり「虎千里を走る」と言われている。「子は繁盛、丑つまずき、虎千里を走る,兎は跳ねる、辰巳天井」と言うのだが、確かに丑は大きくつまずいた。
今年の大発会はかなり元気良くスタートし、ひょっとしたら経済音痴で愚昧な政治に愛想を尽かし、世界に打って出る企業を積極的に見つけようとする動きを今年は期待できるかもしれない。
足元の日本経済に拘れば出口の見えないデフレや迷走する政治など悪いことばかりだが、目線を上げて世界を見れば、リーマンショック発祥の地のアメリカでは金融機関がわずか1年で公的資金を返済したし、企業の業績も9四半期ぶりに大きな利益を出し始めた。
もちろん隣の中国もやたら元気で不動産市場ではバブルが心配されるほど、資産市場が株式ともども賑わっている。資産が増えれば消費も増えるしつれて雇用も増えてくる。

残念ながらわが国では金持ち冷遇策が正しい政策とされ、資産税などの導入が取りざたされるほどだから、アメリカや中国のような元気さになるのはまず無理だろう。中国の先富政策のようにます元気になれる人から元気になればいいという政策は日本では期待できないのは残念なことだ。
しかしいまや世界はひとつになっている。日本だけを見ているととかく暗くなるだろうが、今年の世界は暗さより明るさが目立つ年になるのではないだろうか。
世界マネーがアジア諸国に流れ込む
アジア諸国はよく虎にたとえられ「タイガー」と言われるが、人口が増加する国々では高成長が期待されるし、そこに世界のマネーが流れ込むのは自然な動きである。これら諸国はこれからの世界の牽引役になるであろうことは想像に難くない。(次ページへ続く)