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はみ出し銀行マンの投資相談室 Vol. 29
「保険加入を断ったら出世に響かないでしょうか?」

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2010/01/19 09:00

はみ出し銀行マンの横田濱夫氏が、悩めるMONEYzine(マネージン)読者の投資相談に答えます。投資相談 Vol. 29は、勤め先で勧められた保険加入などを断る息子さんの将来を心配した51歳・専業主婦の方からの相談です。(バックナンバーはこちら)

今月の読者からの投資相談 Vol.29

 今年卒業し、就職する息子のことでご相談です。入社が決まったのは東証2部に上場し、従業員300人ほどの部品メーカーです。たぶん会社から事前に情報を入手したのでしょう。このところいろいろな金融機関が家までやってきては息子に取引を勧めます。それぞれ会社の大株主だったり、取引関係のあるところで、勧める商品は生命保険、積立型の傷害保険、財形、給料振込口座や証券口座の開設などです。会社ではこれとは別に、持ち株会の制度もあるそうです。私はこの先長くお世話になることだし、そうしたお付き合いも必要だと思うのですが、息子は「会社と個人は関係ないから、そんなのは入らない」と断っています。親としては、新入社員なのに最初から人事部の心証を悪くしないかと心配です。やはり会社関係のお付き合いは重視すべきですよね?(専業主婦 51歳)

はみ出し銀行マン・横田の答え

 証券会社や生命保険会社のおばちゃん、姉ちゃんが、会社の社員食堂に入ってきて勧誘する光景はよく見かけるけど、自宅にまで押しかけてくるとはずいぶん商売熱心なこって。今やネットに客を奪われ、営業の現場も大変なんだろう。

 しかし困るよなあ。会社なんてただでさえいろんなしがらみがあるってのに、あれこれ余計なもんまでつき合わされたんじゃかなわない。

忠誠心の踏み絵

 だいいち誰のカネでもない。自分のカネだろう。いったん給料としてもらったてめえのカネをどうしようと、こっちの勝手なのに、そこへ「会社との取引関係うんぬん」を持ち出すこと自体、間違っている。

 そもそも会社とは、労働を提供し、対価としてお給料をもらうところであって、それ以上のものじゃない。一歩会社の建物を出たら、後は知ったこっちゃない他人の関係だ。

 なのになんだい。あれこれ私生活にまで立ち入ってきやがってよ。系列やグループ企業の生命保険に入ることが、社員としての忠誠心の踏み絵だってか?

全員で神社にお参り

 そういやネットショッピングサイトのあの会社も、おかしな踏み絵があるらしいな。毎年の正月休み、社長が神社にお参りし、そこの何百段もある石段を駆け登るという。ま、体育会系の社長が一人、好きでやっている分には勝手だが、こともあろうか社員までこれに駆り出される。

 表向きは「あくまで自主参加」となっているものの、上司や同僚がこぞって参加したら、自分だけパスというのも勇気がいる。陰で出欠を取っているかもしれないし、能無しオベンチャラ社員どもが、ここぞとばかり社長に忠誠心をアピール、ヨイショしまくるわけで、考えただけでも恐ろしい。

 今のこの時代、しかもネットという、曲がりなりにも新しい産業のくせに、いったい何やってんだか。

持ち株会はリスクの集中

 ご質問の中にある「持ち株会」など、冷静に考えれば「リスクの集中」以外のなにものでもない。勤務する会社の経営が傾けば、ただでさえ雇用や収入の不安が生じる。それを株式投資まで同じ先に向けてしまっては、会社がコケたら、もろとも一巻の終わりだ。

 生命保険への加入だって、今だけの話じゃない。商品の特性上、後々何十年と続く。一ヶ月の掛け金だけ見たら、たかだか1~2万円の買い物でも一生を通じたら総額何百万円、何千万円といった大きな買い物になる。

 それを「会社との付き合い」なんて簡単な理由で選んじゃっていいのかね?

部下を売った支店長

 実際オレも銀行員時代に、やはり付き合いで入った千代田生命がつぶれ、えらい目に遭ったことがある。(次ページへ続く)


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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