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赤字なのに社員は全員高給取り
変わりたくても変われない新聞業界の「高コスト体質」

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2010/01/24 10:00

 構造不況に直面している大手新聞社。売上や広告費が減っている中、社員の高給を維持するのが困難になってきている。

 読者離れが進み苦戦を強いられている新聞業界。パソコンや携帯電話などインターネットの発展によって業界は深刻な構造不況に直面している。

 収益の二本柱である購読者数・広告費はともに減少傾向だ。電通の調査によると、2008年の新聞広告費は、8276億円(前年比87.5%)と推定されており、3年連続で1兆円を下回っている。そのため日本でも全国紙・地方紙を問わず、売上は右肩下がり、近年では夕刊の廃止や休刊も相次いでいる。

 とくに大手新聞社を悩ませているのが、「高コスト体質」からなかなか抜け出せない現状だ。全国紙は国内に販売店を持っているため販売コストは非常に高く、一朝一夕にはインターネットや電子書籍へ業態を転換するのは不可能だ。

 各社とも経営を維持するためにタクシーチケットの撤廃や出張費、記者クラブ費などの取材費の一部カット、さらには夜食の見直しなどのコスト削減に必死だが、現場の記者からは「貧すれば鈍する」とため息も聞こえてくる。

 また社員の高給も収益を圧迫する要因のひとつだ。朝日新聞社は4年以上減収が続き、赤字に転落しているのにもかかわらず社員の平均年収は1337万円、3年連続減収の日本経済新聞社も1284万円と、国内の全業界でもトップレベルの高給を維持している。読売新聞社については平均年収は非公表だが、部数では1000万部を突破し全国紙トップであることから、年収も同等水準であると推測される。

 各社とも高コスト体質から脱却するため、給与体系の変更を試みるが、そのあおりを受けるのは、新入社員や派遣社員であるのも事実。それでも減収が続いているので、ビジネスモデルの転換を図らないことには、既存社員の高給を確保するのが難しくなってきている。

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