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好調「カカクコム」のビジネスモデルの強さはその誕生秘話にあった

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2010/01/30 11:00

 国内最大級の価格比較サイト「価格.com」を運営するカカクコムの調子が良い。利用者数が順調に増加し、収益は拡大基調だ。10年3月期2Q累計(09年4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比36%増加、営業利益が同37%増加した。

 近年ではレストラン情報の口コミサイト「食べログ」の利用が急増しており、掲載店がサイト上でPRできるサービスの課金収入が増加したほか、物件数国内最大級の賃貸物件検索サイト「スマイティ」も収益を下支えして、広告業務の売上高は同18%増加した。

 同社は近年、消費に関連する分野へ幅広くサービスを拡大しており、新ジャンルの開拓を進めている。「食べログ」や「スマイティ」の収益への寄与は、その戦略が順調に進んでいることを意味している。とくに「食べログ」は同社の主力サイト「価格.com」に並ぶサイトへと成長しつつある。昨年の11月PV(ページビュー)数は前年同月比2.2倍の2億3000万PV。同ジャンルで首位の「ぐるなび」に迫る勢いだ。

 新サービスが好調の同社だが、それでも事業の中心はやはり「価格.com」。同サイトは、パソコン・家電製品を中心にさまざまな製品やサービスの価格を比較する、日本最大級の価格比較サイトだ。すでに比較サイトとして知名度は浸透しているが、近年も不況が追い風となり、これまで価格比較サイトをあまり使用していなかった50歳代以上の年代層を取り込み、着実にユーザー層を増やしている。

 同社のビジネスモデルの強みは、ライバル他社が真似できない事業の仕組みにある。一般的な価格比較サービスは、ネット上にある価格情報を拾い、安い順番に並べる「ロボット型」と言われるもの。しかし同社の場合は、パソコン販売店などの参加店舗が、競合する他店舗の動向を見ながら値付けしていくことで商品価格が競り下がっていく、いわば「逆オークション形式」ともいえる形態を採用している。このビジネスモデルでは、規模と時間が要求されるため、後発企業は参入しづらい。

 もともと同社のビジネスは、創業者の槙野光昭氏がパソコン周辺機器メーカーに勤務していた時に、秋葉原で1店舗ずつ歩き回り、店頭で商品の値段をチェックし、その情報をインターネットサイトで開示したところ、多くのネットユーザーに喜ばれたことが起源となっている。地味な作業の積み重ねが、ライバル他社を寄せ付けないビジネスモデルの強みにつながったといえるだろう。

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