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コンビニ本部が百貨店の10倍の利益率を計上する裏で廃棄ロスに苦悩する加盟店

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小売のリーダー役を担ってきたコンビニ業界にも陰りが見えてきた。コンビニ各社の従業員平均年間給与の一覧表とともに各社の状況をチェックしてみたい。

大手コンビニの利益率は百貨店や総合スーパーの10倍

 百貨店や総合スーパーに代わって、小売のリーダー役を担ってきたコンビニにも陰りが見えてきた。09年の全国コンビニ売上高は、新規店を含めれば前年比でわずかにプラスだったものの、既存店ベースでは7兆3047億円と対前年比0・2%のマイナス。09年12月の単月に限れば、前年同月比5・5%(既存店ベース)という大幅な落ち込みだった。

 ハンバーガーの日本マクドナルドから遅れること3年、1974年にセブン-イレブン・ジャパンが1号店をオープンさせたのが、わが国コンビニのスタート。以来、コンビニはすっかり身近な存在となり、生活に欠かせないものになってきた。

 さて、コンビニといえば、廃棄ロス問題を抱えていることは広く知れ渡っていること。「もったいない」といった一般論はともかく、フランチャイズ(FC)加盟店にとっての問題点を改めて確認しておこう。

 本部(フランチャイザー)が経営ノウハウなどを加盟店(フランチャイジー)に提供し、加盟店は本部に加盟料金やロイヤリティ、広告宣伝費を支払う、というFCシステムの基本にかかわる問題だ。営業赤字に転落したり、あっても1~2%の低い営業利益率にとどまる百貨店や総合スーパーとは対照的に、大手コンビニ本部の営業利益率は10%を超す。そのコンビニ各社の高い営業利益率とも無関係ではない。

廃棄ロスは、全額加盟店側の負担に

 話を単純化してみる。1日50万円、月に1500万円を売上げているコンビニ店舗としよう。売上原価が1200万円だったとすれば、売上総利益(粗利益)300万円は、誰でもすぐに計算できることだ。

 そして、本部へ支払うロイヤリティは、この粗利益を基準として計算する。FC加盟店の粗利益を、本部と加盟店で分け合う構図。仮に「50%対50%」とすると、本部150万円、加盟店150万円ということになる。

 問題は廃棄ロスにつながる売れ残り。もちろん、売上原価に計上されるのは売れた分ついての原価のみで、廃棄ロスの仕入分が宙に浮くわけだが、それは、全額加盟店側の負担となり、加盟店の取り分は当初の150万円から減額になるわけだ。

 売れ残り商品廃棄や万引き被害などによるものを会計では棚卸減損といったりするが、優良店でも粗利益の1%、管理が行き届かないコンビニでは2~3%に達するといわれる。棚卸減損が20万円発生するとすれば、加盟店の取り分は130万円になる。加盟店はそこから、光熱費やアルバイト代を支払うことになる。

 さすがに、全額FC店舗側の負担だった廃棄ロスについて、一定割合を本部側が負担するようになるなどの改善点も出てきているが、コンビニ本部の決算書からは、FC加盟店の売上高からどの程度本部へ流れているか見てとれる。FC店舗の本部への貢献度というべきもので、コンビニ各社の数値を見てみよう。

業界No.1 セブン-イレブン・ジャパンのケース

 米国セブンイレブンをグループ化したことで、その存在感を磐石なものとしているセブン-イレブン・ジャパン。米国本部とライセンス契約を結んで出発した同社だが、その後、立場が逆転。買収・子会社化してきた経緯がある。

 そのセブン-イレブン・ジャパンと米国セブンイレブン、それに中国・北京、ハワイの4社が直接運営する直営店及びFC店舗は、国内1万2298、海外6325の計1万8623店舗。これに、限られた地域で展開するエリアライセンシーによる1万7115店舗を加えれば、全世界の店舗網は、3万5738店を数える(09年2月末現在)。

 コンビニ各社の決算では、全店舗売上高という言葉をよく耳にする。国内のセブンイレブンでいえば、2兆7625億円だ。ただし、FC店舗の全売上高2兆6215億円すべてが、本部の売上高に組み入れられるわけではない。国内セブンイレブンの場合はおよそ4000億円が本部の売上。FC加盟店の本部への貢献度は15%といったところだ。

 ちなみに、FC店舗からの収入に直営店舗の売上高などを加え、セブン-イレブン・ジャパンとしての売上高は5407億円。ガソリンの販売が多いこともあって、米国セブンイレブンの売上高は国内の3倍規模。それにハワイと中国の子会社の売上が加わり、そもそもの親会社であるセブン&アイHDのコンビニ事業の売上高は2兆3086億円となっているわけだ。

 セブンイレブンの親会社、セブン&アイHDの海外売上高比率は30%強。話題になることは少ないが、同社が小売業では他に例を見ないグローバル企業になっているのも、米国セブンイレブンを傘下に収めたことが大きい。

コンビニ各社の従業員の年収一覧

 コンビニ業界首位のセブンイレブンを追走しているのが、ローソンとファミリーマート。そのFC店舗の本部への貢献度は、ローソンが約13%、ファミリーマートは13%弱である。ファミリーマートは、09年8月に海外店舗が7636と、国内7604店舗を上回った。

 サークルKとサンクスの2つのブランドを展開する、コンビニ本部のサークルKサンクス、その加盟店であるCVSベイエリアはどうか。またついでにコンビニ各社の従業員平均給与の額とともにチェックしておこう。

 サークルKサンクス本体や子会社が運営している店舗は5263店。自営店売上高とFC加盟店からの収入合計は2000億円強で、FC店舗の本部への貢献度は12%強といったところだ。

 上場企業としてFCに加盟し、サークルKサンクスのコンビニを展開しているのがCVSベイエリア。同社は東京と千葉で店舗を運営しているが、FC加盟店でありながら本部の機能を持ち、本部のサークルKサンクスにロイヤリティを支払う一方で、加盟店から受け取る立場でもある。加盟店売上高の10%相当がCVSベイエリアの収入になっているようだ。

 なお、コンビニ各社の従業員平均年間給与は、上場廃止にともない05年度以降の数値を開示していないセブン-イレブン・ジャパンを除けば、ローソンがトップで650万円台。サークルKサンクスが620万円台で続き、ファミリーマートとミニストップが600万円を切る水準で推移している。

 売上高に占める人件費の割合でいえば、ローソンとファミリーマートがおよそ13%、サークルKサンクスは約10%といったところである。

 数値はいずれも09年決算期のもの。まもなく発表される10年決算期ではどんな推移を示しているか注目したい。ファミリーマートが同業のam/pmジャパンの買収も手がけたように、合従連衡からも目が離せない。

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