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はみ出し銀行マンの投資相談室 Vol. 30
「なぜ投資本を参考にしても儲からないのか」

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2010/02/18 10:00

はみ出し銀行マンの横田濱夫氏が、悩めるMONEYzine(マネージン)読者の投資相談に答えます。投資相談 Vol. 30は、本の内容に従ってトレードしたのに儲かるどころか、大損を繰り返したという29歳・男性の方からの相談です。(バックナンバーはこちら)

今月の読者からの投資相談 Vol.30

 某匿名掲示板からやってきた闇蔵と申します。以前、「妻が私に隠れて株で大損していました」という質問があったでしょう。その中で女子大生が1億円儲けたという本の著者に横田さんが会ったら、実際には1億どころか、ほんの少ししか儲かってなかった・・・、というくだりがありましたね。当時あの話題がけっこう裏で盛り上がっていて、みんな「なんだよ、インチキじゃないか」とか「書籍なんて当てにならん」とか憤慨の書き込みが多かったんです。そういう闇蔵も、これまで投資本の類いにはことごとく騙されてきました。本の内容に従って儲かった試しは一度もなく、むしろ大損の繰り返しです。きちんと名のある出版社から出され、一般の書店で売られていた本なのに、なぜこんなことが起こるのか? わかっていてやっているのか? そこらへんのカラクリについて、詳しく教えてください。(家電販売関係 29歳)

はみ出し銀行マン・横田の答え

 ご質問者はこれまでどんな本を買われてきたんだろう。ここ10年間くらいで本屋の店頭をにぎわせた書籍といえば、ネット取引本、中国本、1億円儲かりまっせ本、Brics本、ベトナム投資本、FX本、システムトレード本・・・などだった。

 最近じゃ金価格が高騰したので、30年ぶりに「金投資本」も増えてきた。テレビでもどこかのガキが「純金積立コツコツ~」なんて歌っている。

編集者のお仕事

 なぜ似たような本ばかりがドバッと書店の棚を占め、そのブームが去ってしばらくすると、またぞろ別の似たような本ばかりで埋め尽くされるのか? これには出版社側の事情がある。その前にまず、「編集者のお仕事」を知っといてもらう必要があるかもしれないな。

 世間一般の企業同様、出版業界も今やひどい不況下にある。お客のおこづかいは減り、ゲームやケータイなど、本以外に使うお金も増えた。活字離れもすすみ、本なんかに回せる余裕はない。とにかく売れなくて、出しても1冊あたりの発行部数が極端に減ってしまった。

 最底辺物書きのオレでさえ、10年くらい前は、単行本の初版部数が2万部以上、文庫になると最低4万部くらいからスタートしていた。ところが今や、それぞれ5000部、1万部がやっととくる。

出版社は赤字だらけ

 出版社側もきつい。出版という行為は、常にリスクを抱えていて、まず紙を買い、印刷し、製本し、代金はその後から入ってくる。

 しかも、出した本全部が儲かるわけじゃなく、10冊出して利益が出るのは2冊か、せいぜい3冊といったところ。後の7冊か8冊は書店へ流したとたんに返品され、出版社の倉庫は不良在庫の山となる。後は断裁、廃棄しかなく当然赤字だ。

 そんな状況だから、自然と担当編集者たちへのプレッシャーも多くなる。
「冒険するな。手堅く売れるものをだせ」

 昔は太っ腹な名物編集長あたりが、各担当編集者に対し、「よし、オマエの目利きに賭けてみるか!」となったが、今やそんな太っ腹はいない。みんなビクビク「いかに損を出さないか」ばかりを考えている。でないと、真っ先に自分がリストラされてしまう。

「筋肉バカ=営業」の仕返し?

 すると組織の常として、お定まりの「会議」がはじまる。その編集企画会議に「現場の声も取り入れよう」ということで、営業担当者たちが呼ばれるようになった。(次ページへ続く)


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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