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【株投資戦略】トップストラテジストの提言
「リスクは残るが悲観的にはなる必要はない」

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2010/02/22 16:00

株式市場は中期的にどう動くのか。上値圧迫要因は現存し上放れを示唆することは困難だが、下値も1万円を割り込むほど悲観的にはなる必要がない。つまりこう着相場が見込まれるのだ。(バックナンバーはこちら)

リスク要因を洗い出そう

 ギリシャ財政問題は、2月15-16日のEU財務相理事会で同国の財政再建計画が承認され、次回3月16日の同理事会への2010年の具体的な実施計画の提出に焦点が移る。工程表を点検し不十分な場合は追加策を勧告し、4-5月のギリシャ国債の償還約250億ユーロの資金繰りに緊急融資などで備える。

 簡単に言えば、今回のEU財務相理事会では、治療方針ではなく、到底、完治宣言でもなく、検査入院前の経過観察下に置いて通院してもらうという結論だ。つまり財政改善化に向けた処方箋が示されたわけではない。

 おそらく5月の2011年以降の実施計画の提出期限まで毎月浮上するリスク要因となる。もちろん、悪材料ながら月を追うごとに「マーケット離れ」を起こす材料に留まり、同じ悪材料への緩衝作用が生まれるのはマーケットの自浄能力という強さだ。

 さて、2月17日の東京市場の日経平均+272円高をみて、下値圏を離脱したと読むのは早計と考える。ユーロからのギリシャ切捨てという最悪の事態を回避したことが一応の進展と受けとめられ2月16日プレジデントデー3連休明けのNY市場は急騰した。米国でCME日経平均は10180円であったことから、前日の現物比は+146円高である。よって、2月17日の+272円高は126円分NY市場より上乗せということになるが、これは今週に入ってからの2立会日に亘る東証1部売買代金1兆円割れで市場に参加していなかったアジア勢や欧州・米国勢の買い乗せ分とみるべきだろう。

本格反騰となるか それとも・・・

 2月17日に日経平均は10300円を回復したが、ここからが本格反騰か、一過性の自律反発かの分かれ目と推察している。

 また、来週から春節祭明けとなる中国本土市場や台湾市場の動向も注視する必要があるだろう。中国当局は2月12日に銀行の預金準備率の再引上げを打ち出したまま、長期の休場に入ったため、同措置に対するマーケットの株価査定は後送りされており、現段階では織込みか出尽くしかを計測できていない状況だ。

 預金準備率引上げは不動産規制と併せて、4月の利上げ推測に向けた地ならしなのかもマーケットは判断しかねている状況といえよう。上海総合指数では3000ptを堅持し200日移動平均線を越えるかどうかを観察する必要がある。

 では次に他のリスクについて考え、株価の上値圧迫と下値支え要因となるものを整理してみよう。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 河合 達憲(カワイ タツノリ)

    カブドットコム証券 投資情報室 マーケット・ストラテジスト。マクロの視点からチャートまで幅広い視野を持つ。個別銘柄に関しても情報通として知られている。全マネー誌のアナリストを対象に『宝島』が調査した結果、推奨銘柄パフォーマンスでの年間成績が06年No.1、07年はNo.2と常に高パフォーマンスが評価されている。近著「日本のトップ企業が消える日」(角川SSC新書)も好評。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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