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エンタテイメント過剰時代に強い「映画」
09年邦画ヒットの背景を探る

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 2009年の映画興行収入は景気低迷の中でも邦画を中心に好調に推移した。今回はこの背景にある3つの原因を分析し、今後のエンタメ業界について考察したい。

好調だった2009年の映画産業 その背景を探る

 日本映画製作者連盟によると、2009年の興行収入は2,060億円(前年比6%増)となり、2004年の2,109億円に次ぐ水準となった。邦画は1,173億円(1%増)、洋画は887億円(12%増)。入場者数は1億6,930万人(6%増)、スクリーン数は3,396(1%増)となった。

 興行収入が好調な背景としては、以下の3点が挙げられよう。

  1. 邦画で人気がある作品が多かったこと
  2. 景気の低迷による需要サイドと供給サイドの行動変化
  3. 「エンタメ漂流民」の発生

  今回はそれぞれについて分析し、2010年以降の映画産業がどうなるか考察してみたい。

質の向上により、ヒット作品が増加

 1の「邦画で人気がある作品が多かった」点について考えてみよう。ヒットの1つの目安となる「興行収入10億円以上」の作品数が、2009年では公開本数448作品のうち34作品であった。2008年が公開本数418作品中28作品だったことからすると、ヒット作品の数と確率が上昇している。1つの大ヒット作品が市場規模を押し上げているわけではなく、人気のある作品が増加して市場を拡大させている。構造的変化が読み取れる。

 従来、日本の映像制作にかかわる人やお金はテレビを中心に構成されてきた。しかし、近年の番組制作費の削減や広告収入の低迷によって、映像の制作資源が映画に投入されるようになっている。その結果、従来よりも良質な作品が増加し、以前であれば、宮崎アニメによって決定されてきた邦画の興行収入が、作品数の増加によって拡大している。

 たとえば、2004年には「千と千尋の神隠し」の興行収入が304億円となったが、邦画の興行収入は781億円にとどまっていた。2009年トップになった「ROOKIES-卒業-」の興行収入は85.5億円にすぎないが、邦画の興行収入は2,000年以降では過去最高の水準になった。今後も、日本の映像制作はテレビ局から映画へのシフトが継続する可能性が高く、市場の拡大に寄与しよう。


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