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税制改正による拠出限度額の増額効果
意外な伸びを見せる「個人型401k」

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2010/03/07 10:00

昨今にわかに注目の個人型401k(確定拠出年金)。平成21年税制改正によって1月から拠出額の上限が5000円引き上げられ、掛け金を増額する人も増えてきている。

 個人型確定拠出年金(日本版401k)が、最近にわかに注目を受けている。日本版401kとは、確定拠出年金法の施行によって2001年10月から始められた国民年金基金連合会が実施主体となっている年金制度だ。

 401kとは、元々は米国の税法である内国歳入法401条(k)項を満たした企業の確定拠出型年金のこと。確定拠出型年金の代名詞になっているため、日本でも「401k」と呼ばれる。日本版401kは、各個人が掛け金を支払う「個人型」と企業が掛け金を支払う「企業型」に大きく分けられる。個人事業主のほか、会社に企業年金制度がない場合は個人で加入することができる。

 特徴は、加入者が年金資産を自分で運用し、運用結果によって年金額が決定されること。掛け金が所得控除となり、所得税・住民税が安くなり、通常のの預貯金では利息に対して20%の税金がかかるが、個人型401kには運用収益にも税金がかからないというメリットがある。逆に、いったん加入すると60歳までは原則的にお金を引き出すことはできないことや、口座管理費等の手数料がかかるというデメリットもある。

 また、ノーリスクではない。401k先進国の米国では、2001年12月のエンロン社破綻によって、同社従業員は401kの運用に自社株が使われていたために年金と退職金の大半を失ってしまったという悲劇も起きている。運用はあくまで自己責任で行うという点にも留意する必要がある。

 個人型401kを取り扱う運営管理機関は、銀行や信託銀行、証券会社、保険会社など。運用にかかる手数料や信託報酬は各社それぞれ設定されており、競争が激化してきている。加入する際には、どこがコスト的に有利か、運用実績はどうなっているのかなど、細かく調べる必要がある。

 現在、わが国で個人型の加入数は約11万人となっている。個人型の取り扱い最大手の東京海上日動火災保険では、この1月25日、個人型確定拠出年金制度における加入者・移換者数合計が、運営管理機関で初めて5万件を突破したと発表した。2002年1月に個人型401k制度の運営管理業務を開始した同社では、1月22日時点での加入者数は3万1533件、移換者数は1万8970件、合計で5万503件となっている。

 さらに、平成21年度税制改正により今年1月1日から、会社に企業年金がない会社員の個人型401kの拠出限度額が月額1万8000円から2万3000円に引き上げられた。それによって、掛け金を増額する人も増加している。前出の東京海上日動では、税制が変わったことで顧客1万6000人に案内を送ったところ、5分の1を上回る増額の申し出があり、非常に反応がよかったとのこと。今後も提案を続けていくという。実際、このニュースは個人のブログなどでも多く取り上げられ、この機会に限度額まで増額を考える人が多いことが実感できる。

 こうした背景には、わが国の依然、きびしい経済状況が挙げられる。3日発表の厚生労働省の1月の毎月勤労統計調査(従業員5人以上)によると、従業員1人あたり平均の現金給与総額は27万3142円で、20カ月ぶりの増加。とは言え、一般家庭においては景気回復感はまだまだ乏しく、相変わらず雇用不安も強い。生活保護の悲惨さを伝えるニュースを見るにつけ、きびしい家計の中からでも老後の資金確保にも努めておきたいもの。税金が安くなるこうした制度を利用するのも1つの選択肢となっている。

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