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「慣れてきた」と思ったら危険信号 山本有花の「株よりFXが簡単だと思う人がハマる罠」

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2010/03/17 09:00

FXには、投資家が陥りやすい「落とし穴」があります。第3回のテーマは、「株よりFXが簡単だと思う人がハマる罠」です。株に比べてFXは、「取引がシンプル」「景気の低迷期でも利益が出しやすい」というイメージがあるせいか、株からFXに転向する人は少なくありません。しかし、軽い気持ちでFXに手を出すと、痛い目に遭うことがあります。(バックナンバーはこちら)

株からFXに転向するトレーダーが多い

 以前に株式投資を行っていた、または株式投資の知識がある人がFXをやってみるというケースは少なくありませんが、投資をしたことがない人がいきなりFXをはじめるというケースは比較的少ないようです。

 なぜ、投資初心者がFXをはじめる率が低いかというと、FXはハイリスク・ハイリターンというイメージが強いからでしょう。一般的には、投資信託や株式投資からのほうが安全だと思うようです。

 一方で、株式投資をしていた人が近年になって、FXに転向するようになってきたのはなぜでしょうか。その答えはカンタン、株で儲けにくくなったからです。

 下の図は、「日経平均株価の推移」を示しています。アミかけの部分は、日経平均が下落している時期ですが、この時期は株式投資で損失が出やすい、つまり利益を出せる確率が低くなります。

 なぜかというと、株式投資の現物取引は買ってから売ることしかできないので、日経平均株価が下落し続けていると、買った株価より高く売ることがむずかしくなるからです。

 2007年7月以降(アミかけの②の部分)は株価が下がり、徐々に株式投資では利益が出しにくくなってしまったので、「他の投資で儲けられないかな」という投資家心理が働くことになりました。

 アミかけの①の時期でも日経平均が下落していますが、この時期は、まだFXの名前はあまり浸透していませんでしたし、ADSLが普及しはじめたのが1999年頃なので、インターネットで気軽に投資をする環境ではありませんでした。さらに、FX会社の規制も中途半端で、「FX業者に騙されそう」というイメージも一般の投資家にはありました。

 しかし、アミかけの②の時期には、すでに多くの家庭でインターネットに常時接続できる環境が整っていたうえに、株のネットトレードブームも経ていたので、インターネットで投資をすることが特別なことではなくなっていました。しかも、FX会社の規制がなされ、悪質なFX会社も淘汰されたため、FXにチャレンジする環境が整っていました。このような環境の変化が、株からFXへ転向する投資家を生みだしたといえるでしょう。

株で損した人はFXで大損をする

 さて、ここでクイズです。次の3つのタイプのうち、どの人がもっとも大損をする確率が高いでしょうか?

①まったくの投資初心者で、はじめての投資がFXの人
②株からFXに転向した人
③FXで大損したあとに再びFXで挽回をねらう人

「①番!」と答える人はいませんよね。だって、上の見出しには、「株で損した人はFXで大損をする」と書いてあるのですから。したがって、答えは、③番です。②番ではありません。

「えー!!」という声が聞こえてきそうです。でも、③番のタイプの人がもっとも大損する可能性があると思います。そして、次が②番です(これは確率の問題ですから、もちろん、例外的な人もいます)。

 実は、③番のタイプと②番のタイプは、「大損投資家」としての方向性では同じです。②番のタイプの人が株からFXに転向する多くの理由は、株で儲けられなかったからです。そして「FXならどうにかなるかも」という心理です。

 ③番のタイプの人は、FXで大損したにもかかわらず、その損をFXでまた取り戻そうという考え方です。「次はどうにかなるかも」という心理。ねっ、似ているでしょう。

 しかし、FXで大損をした人は、いったん冷静になって損失を出した理由を把握し、時間をおいて戦略的に投資することを心がけなければ、同じ間違いを起こします。一度大損してしまっているので、大きく儲けないとその損は埋められません。したがって、一発逆転をねらって大きな額の取引をしてしまうはめになるのです。そして、前の損よりもさらに大きな損失を被る可能性があります。

 株で損をした人も同じことがいえます。「株の損をFXで取り戻そう、さらに大儲けするために取引額を多くしてしまおう」という発想の根本は一緒です。

株とFXは似ているようで似ていない

 株で損をした人が、FXについて少しばかり知識をかじると、なんとなく思ってしまうのが、「株よりFXのほうが簡単」ということです。なぜそう考えてしまうのでしょうか。(次ページへ続く)


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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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