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大物IPO 第一生命上場で施されたある特例措置
【日経新聞の読み方】第19回

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2010/03/19 08:00

まいど! 相場の福の神・藤本誠之です。4月1日の第一生命の公開が迫ってきました。今回も、近年最大級の新規公開銘柄=第一生命のお話です。(バックナンバーはこちら)

オープンサイトでの、初めてのリアルタイム気配情報公開

 4月1日に公開される【8750】第一生命株について、東証のサイトに掲載されているお知らせ「第一生命保険の新規上場に係る売買の取扱いについて」は、皆さんご覧になりましたか?

 ここのお知らせで注目したい1つが、「大型銘柄なので、システムが落ちるのを警戒して、初値が一本値でつきますよー」というものです。これは、日興コーディアル証券が、【6724】セイコーエプソンが上場して初値がついた時にシステムダウンした教訓を生かしてのことなんですね。

 そして、これにからんでもう1つ、要注目のお知らせが、初のとある特例措置が行われるということ。なんと、今回は、オープンサイトでリアルタイムの気配情報が公開されちゃうんですね。

 普通、無料で見れるオープンサイト(ヤフーファイナンスなど)の気配情報は、20分遅れで更新されます。つまり、リアルタイム株価は証券会社にログインして見なければいけなかったわけです。

 しかし、今回に限っては、証券会社に問い合わせ件数がめっちゃ増えるかもしれないという理由だと思うのですが、オープンサイトで13時までの気配情報を載せていいよという特例措置を行うというんです。

初の試みをウラ読み

 たしかに、これまでに株式取引に縁がなかった人も、ネットで気配をチェックするなんて習慣がなかった人も、全部ひっくるめての約150万人の保険契約者に、株が配られてます。一斉に電話かけてこられたら、パンクするかもな、とは思いますね。でも、本当にそれだけの理由か? と考えると、ちょっとウソくさいかも、という気がします。

 で、私・藤本が、ウラ読みしてみました。
 東証のお知らせを読むとわかりますが、上場日には、呼び値の制限値幅というのがあります。だから上場日の注文は、売り出し価格の0.75倍~2.3倍しか出せない。で、この範囲内で売り注文と買い注文の数量が合えば約定します。

 とはいうものの、上場日に売りたい人というのは、すぐに現金化したい人です。それが第一生命の場合、めちゃくちゃ少なさそうなんですね。ご存知の通り、保険契約者150万人にバラ撒かれた290万株。でも、この中に「すぐに売りたい」という人はすごく少ないはずです。なぜなら、現金が欲しい人は株券ではなく、現金で受け取っているはずだから。

 また、売出株の710万株のうち、210万株は、みずほFGなどの安定株主に渡っているので、売りは出てきません。海外配分の250万株もいきなり初日に売ってくることはあまりなさそうです。残りは、国内配分の一般分の250万株ですが、ここからはすぐに売ってやろうと思う投資家もいそうですが、普通の投資家は、株価が決定してから売るかどうかを考えそうですね。

 要は、第一生命の株式を保有している人たちにいかに売ってもらうか、だと藤本はにらんでいます。

オープンサイト情報は、秘密のメッセージ

 通常の新規公開銘柄の場合、供給よりも需要のほうが著しく多くなってしまったときは、「冷し玉」といって、大口株主に売ってもらったりするケースが多いです。でも、第一生命には冷し玉として売れる大口株主がいませんし、売り注文以上の大量の買い注文が来てしまって加熱する可能性があります。その場合は、思わぬ高値での初値がつくことになり、翌日から急落しかねません。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 藤本 誠之(フジモト ノブユキ)

    「相場の福の神」とも呼ばれている人気マーケットアナリスト。関西大学工学部卒。日興證券(現日興コーディアル証券入社)、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月末同社退職 現在は、独立してマーケットアナリストと活躍。多くの投資勉強会においても講師としても出演。日本証券アナリスト協会検定会員。ITストラテジスト。著書に『ニュースを“半歩”先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)など。個人アカウント@soubafukunokamiでつぶやき始めました

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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