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ソーシャルゲームと既存ゲームは敵対するのか?
勝敗をわけるのは「ネットワーク戦略」だ

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 通信とゲーム機の融合というテーマは長い間議論されているものの、明確な答えが見つかっていないテーマだ。最近では、「SNSやソーシャルゲームなどが既存の家庭用ゲーム市場の低迷を引き起こしている」という見方が多くみられるようになってきた。果たして、そうであろうか? 今回はこの点について考えてみたい。

ソーシャルゲームと既存のゲームが時間を奪い合う、は本当か

 SNSや携帯電話向けソーシャルゲームが、既存のゲーム市場が低迷している要因だという議論が存在する。確かに、書籍とゲーム、映画とゲームのように、エンタテインメントの時間の奪い合いという競争は存在するとみられるが、生活必需品でないエンタテインメントの領域において、直接的に代替する市場関係という捉え方が妥当だとは考えづらい。

 実際に日本においては、2009年下半期だけを見れば市場規模は拡大した。この要因は、上半期に「ドラゴンクエストⅨ」の発売延期があり、各社のタイトル発売時期が変更されたことから、大型タイトルが不在だったが、下半期では、「ドラゴンクエストⅨ」、「ポケットモンスター ハートゴールド/ソウルシルバー」「NewスーパーマリオブラザーズWii」「ファイナルファンタジーXIII」」と大型タイトルが相次ぎ、ソフト主導で市場が拡大したことにある。同時期において、携帯電話向けSNSのユーザー数は拡大しており、代替関係はみられない。

 書籍のゲーム化や映画のゲーム化という手法はこれまでにも多くみられ、成功を収めたものも多い。したがって、SNSとゲームでも同様の議論で、SNSをゲーム化してヒットを生み出しているケースも散見される。複数人で遊ぶゲーム、「モンスターハンター」や「どうぶつの森」、または「マリオカート」でのオンライン対戦ではコミュニティをゲームに取り込んでおり、SNSのゲーム化という実績はすでに生じている。SNSのベースはコミュニティだが、「トモダチコレクション」はコミュニティそのものをゲーム化して、ヒットしている。

コミュニティそのものをゲーム化した、任天堂の「トモダチコレクション」

ユーザーが求めるのは、意見の反映よりも「新しい驚き」である

 開発過程においては、オンラインのソーシャルゲームではユーザーの意見を取り入れながら、サービス途中でゲームを変更させることが多い。途中でアップデートすることを前提とすれば、小回りが利くゲームで、かつ小規模な開発陣容で対応可能になろう。ユーザーの意見を取り入れるということはパッケージのビジネスでは次のパッケージの販売まで時間がかかることになり、この点では不利となろう。

 ただし、オンラインでもパッケージでも、ユーザーの意見を取り入れるだけでは限界があると考えられる。確かに、ユーザーが求めているものを提供することは重要と考えられるが、本当に求めているものは「ユーザーがわからないこと」であろう。それは「新しい驚き」である。ユーザーすら考えつかないようなアイディアがエンタテインメントの本質であろう。逆に、新しい驚きを提供できるならば、オンラインでもSNSでも、パッケージでもエンタテインメントとしてヒットする可能性が高い。(次ページへ続く)


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