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日本は先進国では最悪の水準
ギリシャ危機以降話題の「ソブリンリスク」とは

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2010/03/27 10:30

ギリシャの財政破綻のニュースと共に、最近話題となっている「ソブリンリスク」とはどういう意味なのか。

 今年に入ってよく聞くようになったのが「ソブリンリスク」という言葉。ソブリンリスクとは政府や中央銀行などの国家への融資における国家の信用リスクのこと。国債や政府機関債を「ソブリン債」と呼ぶが、それらがデフォルト(債務不履行)、つまり回収不能に陥る可能性のことを指す。デフォルトになると、個人や企業が持っている国債が紙切れ同然になってしまうのだ。

 2008年秋のリーマンショック以降の一連の金融危機を乗り切るため、先進各国政府は国債を発行して得た資金などを市場に投入したり、民間金融機関の不良債権を買い取るなど、景気対策と金融救済のためにさまざまな措置を打ち出してきた。その結果、世界経済や金融市場はある程度の安定を図ることができたが、その一方、各国で財政赤字が増大し、国債が市場での信用をなくし、通貨の価値も下落するなど、ソブリンリスクとして世界中の投資家に強く意識されるようになったのである。

 そしてさらにこの経済用語を耳にするようになったきっかけは、ギリシャの財政危機だ。同国は2009年10月に政権交代した中道左派の新政権が09年の財政赤字は対GDP比で12.7%に達すると明らかにし、それまで財政赤字は国内総生産(GDP)の「4%足らず」と発表していたのがまったくの粉飾であったことが発覚した。

 これはユーロ加盟国の財政規律基準の4倍以上の数字で、ギリシャに対する不信感が一気に高まった。ギリシャ国債への売りが殺到し、信用不安は、同じく財政赤字のGDP比率が大きいポルトガルやスペイン、イタリアなどPIGS諸国にも波及し、株価も今年に入ってかなりの下落を見せている。ギリシャ支援については、国際通貨基金(IMF)が支援に参加する方向で最終調整に入ったと伝えられている。

 それでは日本のソブリンリスクはどうなのか。日本は、国および地方の債務残高が09年度末のGDP比168.5%、10年度末には1000兆円に迫ろうとしており、これは先進国の中では最悪の数字。海外投資家から「ギリシャの次は日本では・・・」という声も上がっている。

 しかし、今のところ、長期金利は低位で安定しているので、すぐにデフォルトに陥るとは考えにくい。と言うのも、個人金融資産保有が1500兆円、うち預貯金が800兆円もあることと、約95%という国債の国内保有率の高さに支えられているからだ。とは言え、日本が今のように赤字国債を増発し続けていると、必ずどこかでツケを返さなければいけなくなることは必至だ。これ以上財政状態を悪化させないためにも早期に対策すべき局面を迎えている。

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