私が見てきた敏腕投資家ややり手ディーラーに共通する特徴)
「これまで見た敏腕ディーラーにはどのような人がいましたか?」と聞かれることがあるが、なかなか為替業界では敏腕ディーラーという方を取り上げるのが難しい。
私自身は為替で大もうけをして長者番付にのったという人もみたことがない(管理職で番付にのった人はいた)。会社という組織でやっている方が多いので個人としての報酬は少ないかもしれない。
また為替相場での勝負というのは試合時間が決まっているわけでもないし、取り引きする金額も大きく違う。なんらかの商取引で、あるいはそのヘッジとしてやっている人もいる。
また会社でやっていると、特に日本の会社では大きな損をしても個人のジョブセキュリティーとは関係がない人も多い。外資系や個人で為替をやっている人との緊張感はまったく違う。
また有名な為替投資家と言われても勝ちが長続きしない人もいるし、実際に身近で有名な為替投資家をみた人の話では「言われているほどの実力ではない」というケースも多い。たとえば英中銀をポンド売りで負かしたといわれるソロスファンドもそれ以降は為替業務から撤退したと言われているし、1980年代に世界的に有名になった米銀為替オプションディーラーも、その後日本の金融会社を合弁のヘッジファンドで一緒に仕事をした人に聞くと儲かってはいないと言う。

なかなか常時儲かっていて為替長者のような人を探すのは難しい。有名な為替ディーラーとかいってもポジションを持ったことのない単なる解説者であることも多い。
実際に儲けた人であり、予想屋さんではない。実際にポジションを持って取り引きするのとただ予想することはまったく違うことはFXで実際に取り引きしてみるとおわかりでしょう。夢をこわすようなことを言ってしまったが、強いて言えば、私の身近な方で比較的的確に相場で儲かった人の特徴といえば次のような人であった。(次ページへ続く)