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徹底反証「日本は財政破綻しない論」に騙されるな

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2010/05/01 10:00

よく「日本は、国債を国内の金融機関に販売しているので破綻しない」という議論を見ますが、これは論理的に欠陥があるようです。(バックナンバーはこちら)

「破綻の心配は1000年ない」とはいかがなものか 

 ここ数回の連載で、日本が国債を発行しすぎて財政破綻する可能性、およびそうなった場合に個人投資家がその混乱から利益を得るにはどのようなトレーディングをするべきかについて触れてきました。

 しかしどういうわけか、世の中には根強く、破綻の危険はまったくないという意見が存在します。過去の私の記事についてコメントもありましたし、本やWebサイトもいろいろあります。有名なところでは三橋貴明さん(中小企業診断士・作家)という方がこのネタでさかんに活動しているようです。

 この問題は過度な楽観も過度な悲観も良くないのは確かですが、三橋氏の著書『高校生でもわかる日本経済のすごさ』にあるような、「破綻の心配は1000年ない」というような過度な物言いはさすがにいかがかと思いますので、今回は財政不安はないという主張に反論するテーマで形で書いてみようと思います。

 まあ、世の中どんなものでも、「絶対に安全」と力説するものは決まって怪しいものですし、そういうものをきちんと疑ってかかる姿勢はトレーディングに限らず人生いろいろな局面で役立つはずです。

 さて、まず確認しておきたいのが、どのような状態を財政破綻というのか、ということです。
 完全に日本円が価値を失い、1万円札が単なる「福沢諭吉の顔が印刷してある紙」になって、漫画「北斗の拳」の世界ような無秩序状態になるような破綻はさすがに僕も起きないと思います。

 それよりはソフトな、

・税収によらずに強引に政府債務を減らすような大胆な通貨政策の変更
・年10~20%程度の高率のインフレが数年間継続する
・政府の信用不安を背景とした金融システムの一時的な停止

 のうち1つ以上が起きることを、この記事における財政破綻というものとします。

もっとも簡単な反論

 いくら国債発行残高が積みあがってもまったく問題ない、という意見に対する最も簡単な反論は、「本当にそれでも大丈夫ならすべての税金を廃止して全額国債で国を運営すればいいじゃないか」というものです。

 そんな話が通用するわけはないのは明らかなので、やはり国債を発行しすぎて税収より多くなりすぎればどこかで破綻するのは確実なのです。

 ただ、どこまでなら安全でどこからが危険なのかが分からないのが怖いところですし、国債に頼るのは安易なのでついやってしまう甘い罠であるので、戒めなければならないのです。ちなみに、現状ではすでに国家予算の半分が国債で賄われていますし、この割合が下がることはいまの政治状況を見る限り当面なさそうです。

 これだけで反論の根拠は十分、としてもよいのですが、もうちょっと理由らしい理由についても意見を書いてみます。(次ページへ続く)


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