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「スーツ2着目1000円」のビジネスが成り立つ驚きのカラクリとは

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2010/05/04 13:30

「スーツ2着目1000円」で販売するような紳士服専門店が少なくないが、いったいどのようなビジネスモデルになっているのか。

 就職氷河期が続いているが、今年度卒業予定の学生にとってはゴールデンウイークが終わると、いよいよ面接試験の時期となる。学生によっては何十社も受験する者も少なくないが、そのような過酷な就職活動で切っても切れない関係にあるのがリクルートスーツだ。

 紳士服専門店の業界大手である青山商事やAOKI、コナカにとっては、就活需要を囲い込むことによって売上を伸ばすチャンスでもあるが、そこで各社が消費意欲を高めるために採用しているのが、「スーツ2着目1000円」(もしくは「半額」など)という販売手法だ。

 これはスーツを2着一度に購入する場合は、2着目を1000円という低価格で販売するというもの。たとえば1着5万円の時に2着目が1000円ならば、合計5万1000円で2着のスーツを購入することができる。1着あたり25500円となり、お買い得感は高い。

 しかしこのような破格の値段でスーツを販売してしまって、原価割れしないのだろうか。実はこのビジネスが成り立つには2つのカラクリがあるようだ。

 まず1つが、販売コストの分散。折り込みチラシやテレビCMなどの広告宣伝費、店舗の家賃や店員の人件費などは、1着でも2着でも変わらず発生するもの。そのため販売点数が増えれば増えるほど、1着あたりの原価は下がってくる。売れ残ってしまえばただの在庫となってしまうので、1000円という低価格でも売れた方がいいのだ。

 そしてもう1つのカラクリが、「直接的内部相互補助」というマーケティング。これは一方の商品を激安にすることによって、最終的に商品を買ってもらうことを期待したもので、消費者の気を引くためのマーケティング手法だ。この場合、あらかじめ2着セットで売ることを前提にコスト設計されている。そのためキャンペーンではなく、一年中「2着目1000円」で販売している店では、スーツを1着だけしか買わない場合でも、他のクーポンを利用することによって、結局安く購入できることが多い。

 ただし、「スーツ2着目1000円」というビジネスモデルは、出現した当時は新鮮だったが、最近ではどの店も取り入れるようになっており、百貨店でも導入されているため、消費者にも飽きられ始めている。そろそろ消費者ニーズをかきたてる別の新手法が求められそうだ。

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