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ビル・ゲイツ氏を抜き、世界長者番付でトップに立った謎のメキシコ人の正体

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2010/05/02 10:00

米誌フォーブスの世界長者番付で今年トップに立ったのは、メキシコ人のカルロス・スリム氏だった。いったいどのような人物なのだろうか。

 米誌フォーブスが3月に2010年版の世界長者番付を発表した。昨年の1位は長者番付の常連である米マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏だったが、今年同氏の牙城を崩し、トップに立ったのは、メキシコ人のカルロス・スリム氏(70)だった。

 億万長者の4割は米国人という中で、メキシコ人ながら世界一の富豪となったスリム氏はどのような人物なのだろうか。ビル・ゲイツ氏や著名投資家のウォーレン・バフェット氏を知っていてもスリム氏を知る人は多くはいないだろう。それもそのはず、米国でも最近まで「無名の億万長者」と呼ばれており、5年前に長者番付で4位にランクインするまで注目はされていなかったという。



 

 だが今やスリム氏の個人資産は総額535億ドル(約4兆8000億円)まで膨れ上がっており、この額はメキシコのGDP(国内総生産)の5%に匹敵する。レバノン移民だった父親に幼少の頃から帳簿の付け方を教わり、わずか11歳で投資を始めたスリム氏は、大学卒業後の26歳の時にはすでに4000万ドル(約37億円)を稼ぎ出していたというから驚きだ。

 現在、メキシコやラテンアメリカで高いシェアを誇る電話会社を中心に幅広く事業を手がけるが、同氏が世界的な大富豪の仲間入りとなったきっかけが、1982年に発生したメキシコ債務危機だった。

 この当時、メキシコは世界的な石油余剰と原油価格の下落の影響で、対外債務が急増し、資金の海外流出に歯止めがかからない状況だった。経済は破綻寸前で、市場では国内企業の国有化まで懸念されていたのだ。そのため株も暴落したが、スリム氏は好機とみて、株を買い進め、結局ほとんどの企業は国有化されなかったことで、多額の資産を安価で手に入れることに成功した。その後はメキシコ経済の成長とともに資産を順調に伸ばし巨大財閥を築き上げることに成功した。

 冨と名声を手に入れた一方で、「独占的に富を支配している」と国内で批判も高まっているスリム氏だが、現在では三人の息子に徐々に事業を継承している。数年前のレポートでゴールドマン・サックス社は、2050年頃にはメキシコのGDPは世界第5位になると予想しているが、息子達が帝王学をものにすれば、さらに財閥の勢力は膨らんでいくだろう。

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