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「売れている投信が儲かる投信ではない」
日本の個人投資家よ、冷静に投資しよう

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真行寺[著]
2010/05/11 09:00

4月末に発表された野村HDの前期(10年3月期)の決算は、連結の最終損益が677億円の黒字だった。国内部門の投信募集手数料なども大きく伸ばした。(バックナンバーはこちら)

群を抜く野村の投信販売力

 5月に入り、株式市場が大幅に下落し、混乱も起きているが、そのような中、4月末に発表された野村HDの前期(10年3月期)の決算は、連結の最終損益が677億円の黒字だった。リーマンショックが直撃した前の期(09年3月期)の最終損益が7081億円(この期の赤字額が野村の歴史上最大)だったのに対し、わずか1期で劇的な収益改善を果たしたわけである。

 リーマンの買収効果で海外部門が大きく成長したうえ、国内部門の投信募集手数料なども大きく伸ばした。野村の社員のボーナスは今年から年1回支給だが、「ボーナスへの跳ね返りも相当大きそう」とうらやむ声が同業他社の営業マンから聞こえる。

 たしかに、足元の野村の勢いは凄まじいものがある。とくに、野村が販売会社となって募集したファンドの売れ行きが凄い。ある外資系の投信会社の関係者は、業界の事情についてこう話す。

「投信で売れるのは販売会社が野村と大和のモノだけ。とくに今年の野村の投信募集額が抜きん出ている。募集開始2日間で500億円集めるような勢いがある」という。

 ここで、今年に入って売れた主な投信を振り返りたい。まず、世界の主要国の株式を対象にした内外株型のファンドの当初設定額ベスト3は以下である。

 今のところ最も売れたのが、野村が1月に販売した「JPM世界鉄道関連株投信」だ。次いで4月の「野村クラウドコンピューティング&スマートグリッド関連株投信」もほぼ同額の1100億円強を売っている。

 その次となると、大和が4月に販売した「次世代輸送関連株ファンド」の519億円で、大和は野村にダブルスコア程度の販売力差を見せ付けられた格好とも解釈できる。他の証券会社となると、その100分の1程度(10億円強)しか売れないこともザラだ。

 ただ、前述の投信会社の関係者は、「たしかに売れているが、4月のクラコン&スマグリは世界的な株式市場の好調に救われた部分もある」と指摘する。同氏によれば、この時期の欧米の株式市場が好調で、1月に販売した世界鉄道関連株投信の基準価額が設定来で10%以上も上昇したという。そのため、4月に入って「世界鉄道関連株投信を利食いさせて、その資金でクラコン&スマグリに乗り換えるような形での購入もかなりあったと思われる」というのだ。

 実際、投信の関係者の間では、4月に入ってからの世界鉄道関連株投信の解約の多さが話題に上っていたそうだ。証券営業マンがノルマをこなすために考えがちな「Aの投信からBの投信へ乗り換える」という勧誘を実行するうえでも、Aの原資が潤沢で、しかも利益が乗っている状態という環境面でも野村の営業マンは恵まれていたといえるだろう。ちなみに、現時点ではクラコン&スマグリの基準価額は9900円以下で、わずかながら評価損失となっている・・・。

今はまったく見かけなくなった環境関連株投信

 こういった投信を購入している(1100億円ものお金を出している)のは、ほとんどが個人投資家である。そのため、投信会社の悩みどころとして「販売会社が売りやすい商品を作らないといけない」という問題があるのだそうだ。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 真行寺(シンギョウジ)

    兜町の人脈拡大を真面目に行なっている。金融業界の裏事情に精通し、一部のファンから熱烈な信頼を受けている。

     

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本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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