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プリウス効果で黒字回復も、トヨタを包むモヤモヤ感

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2010/05/16 14:30

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が今月発表した4月の国内新車販売ランキングは、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が2万6482台で、11カ月連続で首位を守った。

 依然として納車は3カ月待ちの状態というプリウス。昨年6月からは軽自動車を含めた全体の首位を維持するなどその強さは発売から1年経った今でも際立つ。消費不況に加え、米国を中心とした品質・リコール問題(回収・無償修理)という「ダブルショック」の渦中にあるトヨタだが、根強い人気を誇るプリウスに救われている。同車は世界で約40万台以上がリコールの対象となったが、国内では騒動の影響をほとんど感じさせず、消費者に受け入れられている。

 特徴は何と言っても、燃費の良さと手ごろな価格だ。エコカー減税などの追い風もあり、街中では新型プリウスが2台、3台と連なって走っていることも珍しくないほど、普及が進んでいる。

 このプリウス効果で、トヨタ自動車が11日に発表した2010年3月期連結決算は2期ぶりに黒字に転換した。だが発売から時間が経ち、新車効果もそろそろ一巡すると予想される中、リコール問題は完全には収束していない。米当局は、先週新たにトヨタが05年に米国で実施した「ハイラックスサーフ」などのリコールについて、報告が遅れた疑いがあるとして、調査を始めたと発表した。

 決算発表の記者会見では「まだ嵐の中にいるが、遠くに晴れ間も見えてきた」と話した豊田章男社長だが、モヤモヤ感が解消されるのはいつになるのか。同社がこれまで保ってきた価格面での競争優位性を今後も維持できるかは不透明で、本格的な業績回復には、リコール問題の決着と、中国やインドを筆頭とした新興国市場での競争でライバル他社に打ち勝つ新たな成長戦略が欠かせない。

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