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他の指標と相性バツグンの名脇役
よくわかるテクニカル指標 ADX編

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2010/06/25 09:00

 相場の行方を指し示してくれる指標はありません。万能な指標などありませんし、各指標にも合っている、合っていない相場付きがあります。指標は単に相場を判断するためのツールです。これらいくつかの指標を組み合わせ自分だけのオリジナルルールを作ることによって、より安定したシステムトレードが可能になります。そのためにはまず、各テクニカル指標の性質を理解することが大切です。本連載ではそれを解説していきます。【バックナンバーはこちら】

トレンドの強さを示す指標 隠れた名脇役「ADX」

 前回までの2つの指標に比べると若干知名度が下がりますが、これもまた非常に有効な指標の1つです。ADXとは、Average Directional Movement Indexの略称で「平均方向性指数」と呼ばれるものです。トレンドの強さを示すもので、通常はDMIと合わせて使われることが多いです。

 DMIとは、「上昇」と「下降」の強さを示すもので、それぞれ「+DI」「-DI」と表示されることが多いです。では、具体的に見てみましょう。

 イエローのラインがADX(パラメータは基本設定の14本)、ブルーのラインが+DI、レッドのラインが-DIとなります。1つ注意事項があります。ADXはトレンドの強さを示す指標なので、上下にかかわらず相場が一方向に進んだ時に上昇します。つまり、相場が下降でもADXは上昇します。逆に言えば、ADXが上昇しているからといって、相場が上昇しているということではありません。

ADXの弱点:トレンド直後の反対トレンドに反応できない

 先にADXの弱点を説明しておきます。チャートで示すPOINT_02の状態です。POINT_01で相場の下降トレンドに反応しADXは上昇しています。ここまではいいのですが、その後の上昇相場は下降トレンドに反する動きとなるので相場が上昇トレンドを形成しているにもかかわらずADXは下降します。簡単に言うと、トレンド直後の反対トレンドには反応できないということです。

 次に、DMIです。これはそのままの解釈で、+DI(ブルーのライン)であれば、相場の上昇時に上昇し下降時に下降します。-DIは相場の下降時に上昇し下降時に上昇します。

 具体的な一般的投資手法としては、POINT_01のような時は「売り」となります。-DIが上昇する形で+DIと乖離し、さらにADXが上昇していることで、相場の下降トレンドを確認します。問題は、POINT_02も「買い」であることです。+DIが-DIを超えて乖離していく形となりADXも上昇していきますが、先ほど述べたADXの弱点から、タイミングとしては遅れます。

 結果論ですが、この相場ではあまりいいエントリーではありません。しかし、もしその後の相場が上昇し続けていれば、これはエントリーしておかなければならないシグナルという分析になります。

 以上のように、非常に有効な面を持っているのですが、判断に難しい場合も数多くあります。そこでこの連載ではADXをあえて“名脇役”と位置付けたいと思います。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 佐藤 豪(サトウ ゴウ)

    株式会社インターバンク 代表取締役社長。

    大学卒業後、証券会社の為替ディーラーを経て2005年にインターバンク設立(日本銀行国際局届出登録a054397)。米ドル、ユーロ、人民元を対象に、刻々と変動するリアルタイムの為替レートで海外通貨と両替できる国内初のサービスを展開している。

    同社のユニークなサービスは日経MJ(一面)、日刊工業新聞などマスコミでも頻繁に取り上げられており、いま最も注目される若手経営者の1人でもある。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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