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株価急落の数日後にさらに下落する「市場の方程式」とは

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2010/06/05 16:00

覚えておいてほしいのが株価急落で発生するのは追証。「2営業日後」に強制決済売りが執行され、また株価下落が起こるのだ。(バックナンバーはこちら)

短期間で東証1部の株式価値が約50兆円目減り

 5月相場は最悪の地合いだった。欧州財政問題への懸念が広がり、1ユーロ=110円を超える水準まで円高進行が加速。アメリカでは金融規制の強化、中国でも金融引き締めの懸念が広がり、世界的に「リスク資産を整理しよう運動」で盛り上がっているような剣呑とした雰囲気である。

 この他市場を震源地とした問題の余波(まさにとばっちり)で、日本株市場もいやおうなしに売り込まれる始末。日経平均は4月初旬につけた11400円近辺から、約2ヶ月で2000円も下落してしまった。TOPIXもピークから15%程度下落。TOPIXが15%下落したというのは、簡単にいえば東証1部に上場する企業の株式価値が「約50兆円目減りした」ことを意味する。とんだとばっちりだ。

 そんななかで6月相場に入ったわけだが、さすがにリバウンドを期待するムードは強いようだ。「ヘッジファンドは5月決算が多いから、期末で換金売りを相当出していた」との声もあり、そもそも5月はタイミング的に売りが出やすい時期だったものとも思われる。

 また、指数が下がる影響で、「個人投資家がかなりの処分売りを出した」との話も聞かれる。5月は日経平均で前日比300円以上の急落日が2回、同200円以上の急落日が3回あり、さすがに信用で買っていた分が評価損で傷みまくったと考えられる。結果、追証発生→規定の維持率割れで、強制決済の売りが後場寄りなどでかなり出ていたようでもある。

 実は、ネット証券各社の信用取引の残高は1兆円近くも存在している。対面型証券で個人投資家が信用取引を行おうとする場合、「支店長がわざわざ出向いて面談し、『資金枠は十分にあるか?』(担保評価で2000万円以上必要などルールがある)、『信用取引の内容をちゃんと理解しているか?』といった質問をして、OKが出れば口座がようやく開設できる」(現職のリテール営業マン)という。

 信用取引はハードルの高い「高嶺の花」だったのだ。しかし、ネット証券では簡単に信用口座が開設できてしまう(信用担保30万円など)ため、垣根の低さから、信用取引をネット経由で行う投資家が急増したのが現状である。

「とばっちり」を受けた最たる例が、東証マザーズに上場するような新興株と呼ばれる銘柄群だろう。マザーズでは、代表銘柄でいえばサイバーエージェント、ミクシィ、グリー(東証1部への昇格が決まったが)などのネット系企業があり、これらが売買頻度、時価総額の面で幅を効かせている。これらも今回の世界的株安に巻き込まれた形だが、その下げ方は日経平均の比ではない。

 しかし、今の相場で一番影響力を与えるユーロの変動で業績にダメージを受けるかといえば、「はっきりいってほぼ皆無」だ。これらのネット企業はオール内需株といっても過言ではないため当然といえば当然である。

 ではなぜ下がったのだろうか。(次ページへ続く)


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著者プロフィール

  • 真行寺(シンギョウジ)

    兜町の人脈拡大を真面目に行なっている。金融業界の裏事情に精通し、一部のファンから熱烈な信頼を受けている。

     

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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